輸血なるほど豆知識 知ってる?血液から作られる輸血用血液製剤

今回は献血から造られる「輸血用血液製剤」の種類と、それぞれがどのような治療に役立つか、またその使用期限についてご紹介します。

 献血者のみなさまにいただいた血液は輸血用血液製剤となり、病気の治療や手術などで輸血を必要とする患者さんのもとへ届けられています。

 輸血用血液製剤には、「赤血球製剤」「血しょう製剤」「血小板製剤」「全血製剤」があります。
 当初は採血されたままの血液、すなわちすべての成分を含んだ「全血製剤」の輸血が主流でしたが、現在では、患者さんが特に必要とする成分だけを輸血する「成分輸血」が主流となっています。

 「成分輸血」は、患者さんにとって不必要な成分が輸血されないため、循環器(心臓や腎臓など)の負担が軽減できます。医療機関への全供給数のうち、「赤血球製剤」「血しょう製剤」「血小板製剤」でほぼ100%を占めています。

 赤血球製剤は、血液から血しょう、白血球および血小板の大部分を取り除いたものです。出血および赤血球が不足する状態、またはその機能低下による酸素欠乏のある場合に使用されます。
【採血後28日間使用可能】


 血しょう製剤は、血液から出血の防止に必要な各種の凝固因子が含まれる血しょうを取り出したもので、品質を保持するために採取後-20℃以下で凍結されています。複数の血液凝固因子の欠乏による出血ないし出血傾向のある場合に使用されます。
【採血後1年間使用可能】

 血小板製剤は、成分採血装置を用いて血液の止血機能を持つ血小板を採取したものです。血小板の減少またはその機能低下による出血ないし出血傾向のある場合に使用されます。
【採血後4日間使用可能】

 全血製剤は、血液に保存液を加えたもので、大量出血などすべての成分が不足する状態で、赤血球と血しょうの同時補給を要する場合に使用されますが、現在では患者さんが必要とする成分だけを輸血する「成分輸血」が主流となったため、ほとんど使われていません。
【採血後21日間使用可能】