地震から1年 窮地に立つアフガニスタン 【 WORLD NEWS 】

アフガニスタン赤新月社は国際赤十字と連携して定期的に毛布やせっけんなど生活物資を配布している©IFRC

昨年6月22日にM5.9の地震が発生したアフガニスタンでは、アフガニスタン赤新月社および国際赤十字が連携し、被災者支援を行ってきました。震災前の2021年8月から継続している政情不安や経済危機なども影響し、かつてないほどの人道危機に瀕している状況にあります。今回は同国の現状についてお伝えします。

地震災害後の赤十字による支援と復興へ向けた困難な現状

家屋を修繕するために現金給付を受けた被災者©IFRC

 2022年6月22日にM5.9の地震がアフガニスタン南東部で発生し、1036人が死亡、2949人が負傷。地震により家屋や保健医療施設、学校や水道などインフラにも大きな被害が発生しました。日赤では同地震の救援金を募集(2022年9月末で終了)。緊急資金援助と集まった救援金の合計、約3426万円が日赤から送金され、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)を通じて緊急救援および復興支援に充てられています。

 また、国際赤十字はアフガニスタン赤新月社と協働して地震発生直後から多方面にわたって支援を実施。2023年1月末現在、1万9984人に保健医療サービスを提供したほか、5万6444人に多目的に使用できる現金を給付するなど、当面の生活の立て直しを後押ししました。建物の甚大な被害に対しては、これまで3万5141人に家屋修繕キットを提供するなどの支援を行いましたが、家屋が倒壊した全ての被災者へ支援を届けるのは困難だったため、数百世帯が避難先で厳しい冬を乗り越えるための支援も同時に展開しました。

人口の半数以上が人道支援を求めている

 アフガニスタンは人口の55%が人道支援を必要としています。すでに悲惨な経済状況にもかかわらず、経済制裁が追い打ちをかけ、男女共に仕事を得る機会が減少する中、物価は高騰。さらに、アフガニスタンの人々を苦しめているのは適切な医療を受けられない現状です。医療従事者たちは、命を救うために毎日最善を尽くしていますが、数十年にわたる紛争と長引く経済的苦難の結果、何千もの医療施設では資金難に直面し、必要なケアを提供することが難しい実情があります。

脳性麻痺が前年度比約50%増加 子どもたちを救うためのさらなる支援の必要性

子どもを診療するリハビリセンターのスタッフ。毎月1000人以上が通院している©ICRC

 同国の首都カブールにある赤十字国際委員会(ICRC)のリハビリセンターでは2021年に脳性麻痺の新患者数が1125人であったのに対し、2022年は1672人と50%近く増加しました。同センターで小児科部長を務めるムリド・アフマド・ラセク医師は、「貧困やトラウマ、加えて妊婦が必要な情報の入手が困難なことや定期検診を受けられないことが、乳幼児が脳性麻痺になってしまう原因となっている」と語ります。同センターでは、毎月1000人以上の脳性麻痺の子どもたちを診療しており、2023年1月現在も1200人以上が待機リストに載っています。

 ラセク医師は「症状は子どもによって異なります。筋力の弱さやバランス感覚の欠如、座位・歩行などが難しいだけでなく、てんかんや視覚障害、言語能力および知的障害など、さまざまな症状が見られます」と子どもたちの厳しい状況について続けます。アフガニスタンの人々が多くの困難を乗り越えていくために、さらなる国際社会の関心と支援が求められています。

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アフガニスタンってどんなところ?

アジア大陸のほぼ中央に位置する山岳地帯が広がる多民族国家。さまざまな国に接し、複雑な歴史や宗教的背景を抱える。国内の政情不安や長年にわたる紛争によって難民が生まれ、多くの人々が支援を必要としている。