【献血まるわかり辞典】vol.12 「貯留保管」 「なるほど!」と思わずヒザを打つ“献血にまつわる豆知識”を紹介。 最終回となる今回は、献血でいただいた血液を保存する「貯留保管」です!

巨大な冷凍設備で保管し、 血液の安全性を確保する

 献血でいただいた血液は病気の治療や手術などで輸血を必要としている方に使用される他、特定の症状や病気の治療に使用される血漿(けっしょう)分画製剤の原料としても使用されています。血液の安全性を確保するために、日赤では種々の安全対策を行っており、さまざまな精密検査をパスした血液が輸血用血液製剤や血漿分画製剤として製造されます。献血や検査の時点でウイルス感染の疑いがなかったとしても、のちに感染が判明する可能性はゼロではありません。そうした場合に備えて、すぐには使用せずに一定期間「冷凍保管(貯留)」する安全策をとっています。

※1パレットにはバスケットが40個積まれる。1バスケットには約10Lぶんの原料血漿バックが入る。
福知山分室の場合、原料血漿は48万L(約10L入るバスケットが4万8000個)の保管が可能。冷凍自動倉庫の最上段のバスケットの高さは約30m(マンション10階相当)

 輸血用血液製剤の「新鮮凍結血漿」は、全国7カ所にあるブロック血液センターにて-20℃以下で6カ月間、凍結保管されます。一方、血漿分画製剤を製造するための「原料血漿」は、製薬会社に送られるまでの間、全国3カ所(北海道・京都府・福岡県)にある超大型の冷凍施設で、同じく-20℃以下で凍結保管されています。
 この3カ所の冷凍施設で「原料血漿」が保管される期間は60日間以上。期間中に献血された方にウイルス感染などが判明した場合は、その血液が原料として使用されないようにします。
安全性確保のための貯留保管。巨大な冷凍施設で血液が凍結保管されている様子は、圧巻です。