【献血まるわかり辞典】vol.1「稀血/まれな血液」 「なるほど!」と思わずひざを打つ“献血にまつわる豆知識“を紹介する新コーナーが誕生! 第1回のテーマは「稀血(まれけつ)/まれな血液」です。

「鬼滅の刃」で注目が集まった 【稀血】は本当に存在する!?

【日本の献血血液における、まれな血液型の一例】

 稀血―あまり聞き慣れない言葉ですが、中高年以降の世代が、この言葉を聞いて真っ先に思い浮かぶのは「Rh陰性(マイナス)」ではないでしょうか。しかし、若者たちの世代では稀血といえば、近年大ヒットした「鬼滅の刃」です。鬼との戦いを描いた作品ですが、人間を食らって生きる鬼たちの大好物が“稀血の人間”なのです。

 漫画の世界とはだいぶ違いますが、現実にもまれな血液をもつ人がいます。私たちにもなじみのある血液型といえば、「ABO血液型」と「Rh血液型」。輸血の際にはこれらが一致した血液を使用することが基本です。

 ちなみに、先述した「Rh陰性」は日本では0.5%程度と少ないものの、欧米では15%を超える国もあります。まれな血液型とは、おおむね出現頻度が1%以下のもので、Oh(ボンベイ)や-D-(バーディーバー)など現在20種類以上とされています。あまりに少ないため、輸血の際に支障をきたすことのないよう、まれな血液の一部は血液センターでマイナス80℃以下に凍結保存され、その保存期間が10年のものも存在します。赤十字では輸血において、まれな血液型が必要となった場合は、あらかじめ冷凍保存している同型の血液を使用するほか、同型の血液型の方にお願いをして血液の確保に努めています。