赤十字、世界の「現場」から(6) 赤十字国際委員会(ICRC)が展開する紛争地での保護活動や避難民支援。 その活動現場で切り取られた、知られざる世界の姿、世界の課題。

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南スーダンにあるICRCの支援病院で、小児科医は生後5カ月の乳児の肺炎と闘っていた。インフラが整わず、治療に必要な電気の供給が不十分な南スーダンで、命綱は発電機だ。この日、その発電機が故障し、肺炎の乳児の呼吸器が停止した。必死の救命措置もむなしく、乳児は息を引き取った。

スーダンでは長年、アラブ系が多い北部とアフリカ系(主にクリスチャン)が多い南部で内戦が繰り広げられていた。後に、南部は南スーダンとして独立。インフラや保健医療サービスなど多くの課題を抱えたまま、今年、南スーダンは独立から10周年を迎えた。