青年赤十字奉仕団による防災への取り組み ~「防災とボランティアの日」「防災とボランティア週間」に寄せて~

1月17日で阪神・淡路大震災の発生から30年が経過しました。

死者6,400人以上、被災者約80万人という甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災では、全国から集まった多くのボランティアが活躍し、災害時におけるボランティア活動や住民の自発的な防災活動の重要性が広く認識される契機となりました。

それに伴い、災害への備えの充実強化を図ることを目的として、毎年1月17日は「防災とボランティアの日」、毎年1月15日~21日は「防災とボランティア週間」に定められています。

自然災害が激甚化・頻発化している昨今、一人一人が災害を自分のこととして捉え、平時から災害時を意識して人と人との結びつきを強め、災害に備えておくことが大切です。

各地の赤十字ボランティアは、今後起こりうる災害に備え、平時から防災に関するさまざまな取り組みを行っています。この機会にそれらの中から青年赤十字奉仕団の活動の一部をご紹介します!

【岩手県支部】 イーハトーブ学生赤十字奉仕団

県内の赤十字施設が協働し、赤十字への理解促進を目的として毎年ショッピングセンターにて開催される「赤十字ふれあいフェスティバル」。当奉仕団もこのイベントに参加しています。イベントでは、子ども向けの防災教材「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」に子どもたちと一緒に取り組み、子どもたちへの防災教育に携わったり、看護服や救護服の試着を補助したりしています。子どもたちとの交流があることで、団員にとって充実感のある楽しいイベントの一つとなっています。

画像 令和5年6月 赤十字ふれあいフェスティバルで「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」を体験

また、令和6年11月末に行われた青年赤十字奉仕団の研修会では、段ボールベッドの組み立てに挑戦するなど、平時から災害時に備えて活動しています。

画像 令和6年11月 研修会で段ボールベッドを組み立てる奉仕団員

【新潟県支部】 新潟県青年赤十字奉仕団

昨年7月に新潟県赤十字安全奉仕団新潟市分団の野外訓練に参加しました。

災害発生時に被災地に届ける救援物資等が保管された県支部の救護倉庫を見学した後、倉庫内で投光器の組み立てやロープワークの練習を行い、発電機の使用方法についても確認しました。昼食は、災害用炊飯袋(ハイゼックス)を使用してご飯を作り、災害時に救護所等で使用するテントの中で試食しました。また、段ボールベッドを組み立て、実際に横になって寝心地を体験する機会もありました。

昨年は他にも、防災の知識が学べる防災カルタ体験を行ったり、風呂敷を使用した防災頭巾の作り方を学んだりするなど、防災への意識を高めています。

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令和6年7月 野外訓練

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防災カルタ体験

風呂敷を使用した防災頭巾

【富山県支部】 富山県青年赤十字奉仕団

子ども食堂を利用する園児や小学生を対象に防災イベントを開催し、子どもたちに災害や防災について学ぶ機会を提供しています。

子どもたちと一緒に「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」を体験したり、新聞紙で子どもサイズのスリッパを製作したりして、参加者が楽しめるイベントになるよう工夫しています。

子どもたちが自然災害への正しい知識のもと、「自分の命は自分で守る」力を育む一助となるよう活動しています。

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子ども食堂での防災イベントにおける「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」

「ふうせんとばし」

【大阪府支部】 大阪産業大学学生赤十字奉仕団

小・中学生を対象に、災害に対する備えや行動を学ぶ教室を不定期で開催しています。

これまでの活動例として、一昨年の5月には、協力団体である大東市の教育支援センター「ボイス」に通う子どもたちに対して、防災・災害に関する知識を伝える防災教室を行いました。地震や津波が引き起こす現象や、災害時に注意することなどについてスライドを用いて説明し、講義の後は、参加者の子どもたちと地震や火事が起きた時の避難シミュレーションをテーマにしたボードゲームをしながら交流しました。

災害の恐ろしさやその対策について、分かりやすく、楽しく学ぶことができるよう心掛けています。

画像 令和5年5月 大東市教育支援センター「ボイス」での防災教室

【徳島県支部】 徳島県青年赤十字奉仕団

いつ起こるか分からない災害に備え、災害時に避難所支援ができるよう、平時から炊き出し訓練や県支部オリジナルの段ボールベッドの設営訓練を行っています。段ボールベッドは、高齢者や妊婦、身体障がい者といった要支援者が避難所で少しでも快適に過ごせるよう、2年の歳月をかけて県支部が開発しました。市販品より大きく安定したサイズで、立ち上がりやすい高さを追求し、座位を安定させるための背もたれや、立ち上がる際に必要な持ち手も完備されています。

令和6年度は、4月に県支部で開催された徳島県青年赤十字奉仕団総会および研修会において、災害用移動炊飯器・専用鉄板を使用した炊き出し訓練を実施しました。

支部職員から災害用炊飯袋(ハイゼックス)の紹介があり、災害用炊飯袋を使ってお米を炊きました。さらに、ホットケーキミックスとジュースを使用して蒸しパンを作り、専用鉄板ではホットケーキを焼くなど、スイーツを作る炊き出し訓練も行いました。

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令和6年4月 災害用炊飯袋(ハイゼックス)、専用鉄板を使用した炊き出し訓練

また、昨年8月、青少年赤十字リーダーシップトレーニングセンター(小学校の部)において炊き出し訓練が行われた際には、当奉仕団員が主体となって青少年赤十字メンバーに方法などを説明し、防災教育の担い手となりました。

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令和6年8月 青少年赤十字トレーニングセンターでの炊き出し訓練でレクチャー

いざという時には、強みである若さと機動力を生かしてボランティア活動を行います!

【佐賀県支部】 佐賀県青年赤十字奉仕団

佐賀県では、風水害がたびたび発生するため、災害への備えがとても重要です。

当奉仕団員は、災害時に役立つ知識やスキルを身につけるため、さまざまな訓練や活動に積極的に参加しています。

昨年8月の「日赤さが防災ボランティアセンター」設置運営訓練では、防災ボランティアの役割や義援金受け付けなどの支部支援について理解を深め、赤十字防災セミナーの「ひなんじょ たいけん」プログラムを体験しました。訓練を通して、災害時に実践できるスキルを身につけ、防災・減災への意識を高めることができました。

また、昨年5月の水防演習訓練では、救護所(エアテント)の設営を行うだけでなく、防災展で非常持ち出し品の説明や子ども救護服の試着の手伝いをし、来場者と一緒に防災について考える機会となりました。さらに、9月の青年奉仕団防災研修会では、エアテントの設営や炊き出しを行い、支部の救護資機材を実際に使用して、災害時の運用方法を確認しました。

これからも支部職員と力を合わせながら、防災ボランティアとして、地域の防災力向上に貢献できるよう活動を続けていきます。

画像 令和6年8月 「日赤さが防災ボランティアセンター」設置運営訓練

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令和6年5月 総合水防演習訓練に参加

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令和6年9月 青年奉仕団防災研修会

全国各地の青年赤十字奉仕団は、今後発生する可能性のある災害に備え、平常時から防災・減災に関するさまざまな活動を行っています。

少しでも興味をお持ちの方、一緒に活動してみませんか?

ぜひ、お住まいの都道府県支部にご連絡ください!

※【青年赤十字奉仕団】 活動事例&メンバー募集情報「あゆみ」はこちらのリンクからご覧いただけます。