第50回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式を挙行

世界中の看護師にとって最も栄誉あるものとされている「フローレンス・ナイチンゲール記章」

 

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 2025年7月31日、東京・港区の東京プリンスホテルにおいて、日本赤十字社名誉総裁の皇后陛下、名誉副総裁の秋篠宮皇嗣妃殿下、常陸宮妃華子殿下、寬仁親王妃信子殿下、高円宮妃久子殿下ご臨席の下、第50回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式が行われ、受章者に対し、皇后陛下お手ずから記章が授与されました。

 同記章は、近代看護を確立したフローレンス・ナイチンゲール氏の生誕100周年を記念して1920年に第1回の授与が行われました。紛争や災害時の看護活動、公衆衛生や看護教育などに多大な貢献をした世界各国の看護師などの中から2年に一度、赤十字国際委員会の選考によって受章者が決定されます。日本人の受章者は今回の3名を含め118名で世界最多です。

                     (写真は皇后陛下から記章を授与される受章者の河野さん)

 

 

今回受章されたのは、次の方々です。

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(左:河野順子さん、中央:紙屋克子さん、右:春山典子さん)

春山 典子さん (元・日本赤十字社群馬県支部 参事)

1985年8月に群馬県の御巣鷹山で発生した航空機墜落事故において、生存者2名への救命措置に加え、群馬県警指揮下での遺体の検案活動で看護の責任者として、1か月半の活動を指揮・統率しました。事故を風化させないため、今も講演、報道機関への出演、取材協力などさまざまな活動を行っています。            

 

紙屋 克子さん (日本ヒューマン・ナーシング研究学会 理事長)

意識障害が長期化し寝たきり状態になった患者の回復を促進するため、患者の意識ならびに身体機能の改善・回復を目的に、患者の身体・認知面に応じて目標を設定し、評価しながら支援する看護方法を確立した看護実践の第一人者です。患者の「生き直していく瞬間」の実現に向け、今も挑戦を続けています。

 

河野 順子さん (元・大田原赤十字病院(現:那須赤十字病院)看護部長、元・栃木県看護協会 会長)

病院を退院した後も住み慣れた地域で必要な医療が受けられ、最期まで尊厳のある一人の人間として自分らしく生活できるように、現在の地域包括ケアにつながる「退院計画」のための多職種・地域連携、在宅医療推進に向けた地域の受け入れ体制の構築に取り組みました。また、各地での講演等を通じて、全国へのさらなる普及や後進の育成に努めました。

 

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 授与式後の記念講演会では、「賞賛」や「同意」の拍手とともに、会場からの笑いもあり、御三方のこれまでのご功績、そして人徳によるものと実感せずにはいられませんでした。

 御三方の今後のますますのご活躍をお祈りいたします。

                          (看護学生によるキャンドルサービス)