Voice6 ~赤十字病・産院で活躍する先輩看護師~

就職活動中の看護学生の皆さん、こんにちは。
第6回目からは、名古屋第二赤十字病院に場所を移してお届けしていきたいと思います。

今回ご紹介するのは、名古屋第二赤十字病院の「患者支援センター」に勤務されている長渕 将邦(ながふち まさくに)看護師です。
長渕さんには、院内における「患者支援センター」の役割と、現在のお仕事内容を中心にお伺いしました。


-まず始めに、「患者支援センター」について教えてください。

患者支援センターは、外来受診時から入院、退院までの医療・療養をサポートする部門として、2016年に設立されました。
当センターでは、外来受診時から患者さんとご家族の相談窓口として支援を開始します。そして退院後も地域の施設・病院そして在宅支援をしている関係者と連携をとり、患者さんとそのご家族ができるかぎり安心して住み慣れた地域で生活を継続できるようにサポートをしています。いわゆる急性期病院と地域をつなぐ、という地域包括ケアシステムの一助を担っています。
また、医師、病棟看護師、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士、事務職員の多職種との連携を密にとり、患者さんお一人おひとりに可能な限りの最適な治療及び療養生活を提供することを目指しています。

-長渕さんは患者支援センターで、どのようなお仕事をされていますか?

長渕さん1

患者さんやご家族は、入院生活をすること自体に不安があります。そして手術を受けること、手術後の痛みと療養生活、そして退院後の生活、と様々な不安を感じていらっしゃいます。
私は主に、救急外来受診から直ちに入院される患者さんの退院支援を担当しています。
生命の危機状態や病状の悪化等で、患者さんやご家族はさらに大きな不安があります。
このような患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら、看護師として患者さんの病状に応じた退院後の生活を考え、地域の様々な病院や施設、在宅サービスの方々と連携して、その患者さんやそのご家族にとって最善の地域での生活の場を考え、日々仕事をしています。

-患者支援センターの存在について、患者さんの反応はいかがですか?

当院は急性期の病院ですので、来院される患者さんそしてご家族の中には、入院前と後では生活スタイルが変わる方もいらっしゃいます。健康な時から医療や介護を受ける生活をイメージしたり考えている方はまだ少なく、病気になり今後の生活や生き方について悩まれる方もあります。外来受診時から私達看護師が支援に入り、手術後の生活やリハビリについてわかりやすく説明することで、患者さんも安心してくださいます。「手助けをしてもらえてありがたい」と、感謝のお言葉をいただいています。

-では、患者支援センターの存在は、院内でどのような効果をもたらしていますか?

長渕さん2

病棟の看護師は、入院中の治療・療養生活のケアと患者さんやご家族のお気持ちに寄り添う看護を実施しています。患者支援センターは、病棟の看護師と連携し、治療・療養の生活の場であった当院から、患者さんの生活の場である地域につなぐという役割をしています。
患者支援センターは、患者さんの生活の場の選択肢として、地域の特徴や、医療依存度に応じた支援の種類と内容等を病棟の看護師に情報を提供しています。その情報は、病棟での看護ケアや生活指導に活用され、患者さんがより自分らしい生活を送る手助けができると思います。

-患者支援センターは今後、どのような役割を担っていくと思いますか?

長渕さん3

2025年問題解決に向けて医療政策が変化していく中で、急性期病院である当院でも、年々在院日数が短縮しています。入院から退院までの短い日々では、患者さんの入院期間を見据えた看護師の関わりが重要になると思います。
患者支援センターでは、変化する医療政策や環境を敏感に察知し、院内への情報発信をすることが重要な役割だと考えています。
また、できるだけ患者さんご自身が望む生活ができるように、病棟看護師とともに看護・医療チームの一員として、そして近隣病院や在宅などの地域・施設の方々とも連携を深め支援ができるようにして努力したいと思います。

-最後に、赤十字医療施設へ就職を考えている看護学生の皆さんへ一言お願いします。

私が働く名古屋第二赤十字病院は、高度急性期機能を有した地域医療支援病院ですので、救急看護から地域連携まで、様々な領域の看護を学ぶことができます。
また、院内に「男性看護師会:八事DAN」があり、キャリアアップに必要な研修や男性看護師の悩み相談をし合う場もあります。男性看護学生さんにも、ぜひ赤十字病院への入職を検討していただけたら嬉しいです。もちろん女性看護学生のみなさんも大歓迎です。

-長渕さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。