【速報2】ベネズエラ地震:死者1,400人超、被害の全容把握が急がれる中、赤十字は救援活動を拡大
現地時間2026年6月24日に、ベネズエラ北中部を襲ったマグニチュード7.2と7.5の2度の大地震による被害は、数日が経過した現在も、拡大し続けています。現地では500回以上の余震が観測されており、倒壊した建物の下に取り残された人びとの捜索が続く一方で、道路の寸断や停電、通信障害が救援活動の妨げになっています。
懸命に続けられる捜索活動。余震が続く中、二次被害のリスクも高まっている。©VRC
現地当局によると、これまでに少なくとも1,450人が死亡し、3,100人以上が負傷、12,700人以上が避難を余儀なくされています。被害を受けたインフラ施設は2,500以上にのぼり、医療機関にも深刻な影響が出ています(6月28日時点、国連発表[1])。特にラ・グアイラ州と首都カラカスで被害が大きく、多くの住民が自宅に戻れず、広場や運動場などの屋外で不安な時間を過ごしています。
被災状況の調査は現在も続いており、被害の全容はまだ明らかになっていません。今、最も必要とされているのは、捜索・救助の継続、住まいを失った人びとへの避難場所の確保、安全な水と衛生環境の確保、生活必需品の提供、そして負傷者への緊急医療です。また、余震が続くなかで、被災された方の間で強い不安やストレスが広がっており、心理社会的支援(こころのケア)の重要性が高まっています。
赤十字を含む国際社会はすでに大規模な人道支援への取り組みを開始しており、各地で捜索救助や医療、資金、ロジスティクス支援が展開されています。
[1] Situation Report No.5_Earthquakes in Venezuela_28 June 2026 OCHA
地震発生直後、負傷者を担架で搬送するベネズエラ赤十字社の救助隊©VRC
ベネズエラ赤十字社の活動
こうした中、ベネズエラ赤十字社(以下、ベネズエラ赤)は、発災直後から現地当局や関係機関、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、IFRC)や各国赤十字・赤新月社と連携し、救援活動を展開しています。ベネズエラ赤は700人の職員と41の支部を有し、3,000人のボランティアを動員し、現在緊急対応にあたっています。
主な活動は以下のとおりです(6月27日時点)。
- 応急処置、医療支援
がれきの中から救助された人びとへの応急処置や病院への救急搬送を行うため、ラ・グアイラ州に救護所2か所を設置し、医師や救急隊員約10名が夜間も対応しています。また、テント型の仮設の病院も設置され、医師、看護師、心理士が診療にあたっています。 - 家族再会支援(RFL)
専用ホットラインを設置し、発災後最初の24時間で1,133件の依頼を受理し、対応しています。その後、安否確認の依頼は2,038件に増加しています。 - 水・衛生、通信
救援活動の拠点で、給水設備の復旧を進めるとともに、通信障害の改善にも取り組んでいます。
ベネズエラ赤の本社建物も大きな被害を受ける中、多くの職員やボランティアが、自らも被災しながら救援活動を続けています。
住民と連携して被害状況の把握と支援調整を進めるベネズエラ赤のボランティア©VRC
ラ・グアイラ州の救護所で負傷者を受け入れる©VRC
国際赤十字の支援
今回の対応は、ベネズエラ赤を中心に、赤十字・赤新月運動全体が連携して進められています。特に、高齢者、子ども、障がいのある方、妊産婦、家族と離ればなれになった方など、弱い立場にある人びとへの支援が急がれています。
各国赤十字・赤新月社
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、コスタリカ、コロンビア、チリ、パナマ、パラグアイ、ホンジュラス、メキシコの計10カ国の赤十字社が、家族再会支援(RFL)サービスの提供を開始しています。
また、ドイツ赤十字社とコロンビア赤十字社はベネズエラ赤との合同チームとして現地で被害状況の調査やロジスティクス支援を実施しています。その他の各国赤十字社も、現地のニーズに応じて人員や資機材の動員を進めています。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)
発災直後に災害救援緊急基金(DREF)から200万スイスフラン(約4億円)を拠出しました。また、ベネズエラ赤を中心とした国際赤十字による救援・復興支援活動を通して約30万人を支援するために、6月26日には5,000万スイスフラン(約100億円)の緊急救援アピールを発出しました。この支援には、緊急医療や避難所支援、水・衛生支援、現金給付などに加え、住宅や生活の再建を見据えた中期的な支援も含まれます。
また、パナマからのチャーター便により、17トンの救援物資がすでに現地に到着し、災害対応や保健医療、広報などの専門スタッフが現地で連携・調整を開始しています。
17トンの支援物資には、防水シート、蚊帳、衛生用品キット、浄水器、毛布などが含まれている©IFRC
赤十字国際委員会(ICRC)
今回の地震を受け、安全な水の確保や尊厳ある遺体の取り扱いを支援するため、浄水用の塩素タブレットや遺体収納袋をすでにベネズエラ赤と現地当局に提供しました。ラ・グアイラ州では、浄水設備の設置や病院への給水支援が行われています。これらの取り組みは、感染症の予防と公衆衛生の維持に大きく貢献しています。
日本赤十字社は「海外救援金」の受け付けを決定
日本赤十字社(以下、日赤)は、今回のベネズエラにおける地震被害を受け、明日6月30日(火)から、「2026年ベネズエラ地震救援金」の受け付けを開始します。
お寄せいただいた救援金は、IFRC、ICRC、ベネズエラ赤、および日赤が行う、被災者への救援・復興支援活動および防災・減災活動などに充てられます。あわせて、日赤はベネズエラ赤の救援活動を支援するため、IFRCが発出した緊急救援アピールへの資金援助の準備を進めています。
今後も、現地の被害状況を注視しながら、ベネズエラ赤、IFRC、ICRC、各国赤十字・赤新月社と連携し、情報収集および支援の調整を行っていきます。
屋外で避難生活を送る少年に寄り添い、声をかけるベネズエラ赤のボランティア©VRC