バングラデシュ南部避難民支援:生きてほしい!

2017年8月下旬から、ミャンマー西部のラカイン州における暴力行為が相次ぎ、これまでにバングラデシュに逃れてきた人々は、61万人を超えています。(11月14日現在・国連発表)今号の国際ニュースでは、10月末に帰国した医療チーム第一班の活動をご紹介します。

※国際赤十字では、政治的・民族的背景および避難されている方々の多様性に配慮し、『ロヒンギャ』という表現を使用しないこととしています。

一日300名の患者さん

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銃創をみる日赤医師

日本赤十字社は、9月16日に先遣隊を派遣し、避難民が多く集まる3つの地域を調査。他団体の活動や医療ニーズ等を考慮し、まずはハキンパラと呼ばれる避難民が多く住むキャンプにて巡回診療を開始しました。

9月27日に開始した巡回診療では、10月22日までに累計 3699名の患者が受診、一日平均200~300名を診察していました。仮設テント4カ所、巡 回診療チーム2班での体制がスタートしました。

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子どもの受診を終えた女性に、服薬の説明をする日赤薬剤師。薬袋にもイラストで分かりやすく記載している

急増した人々が住むのは衛生環境も整っていない密集した避難民 キャンプ。そこでは、住居や水、トイレ、食料など全てが不足しています。そのため、避難民の多くは、風邪や下痢、体を清潔に保つことが難しいことから皮膚の病気が半数近くを占めていました。

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低栄養状態の8カ月の赤ちゃん

また、低栄養状態だと思われる子どもがいた際には、UNICEFの栄養センターへ紹介しフォローしてもらうこともありました。

お腹の赤ちゃん元気かな・・・

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妊婦をみるバングラデシュ赤新月社の助産師と日赤助産師

避難してきた方の中には妊産婦も多く、お母さんと子どもの健康と命を守ることも大事な活動の一つです。

お母さんや子どもにとってミャンマーからの避難の道のりは過酷でした。満足に口にするものもない中、何日間も 歩き続け、バングラデシュに到着する頃には衰弱し脱水状態に陥っているような妊婦さんもいます。

日赤要員は、バングラデシュ赤新月社の助産師とともに、 診療所に来た妊婦・新生児の健診や妊婦生活と出産の基礎知識を伝えるとともに、地元の産婆による分娩介助の支援を行いました。

おとなもこどもも安心して話そう!

ミャンマーからの避難、更には劣悪な環境での避難生活は、避難民のこころにも大きな影響を与えています。ハキンパラでは、居場所の少ない子供たちのために、安心して過ごせるこどもの遊び場スペース(チャイルド・フレンドリー・スペース)を開設しました。

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描いた絵は大事そうに持って帰りました

ここでは、お絵かきや折り紙、ボール遊びなど子どもが子どもらしくいられることを促し、少しでも「日常感」をもたらすことが重要です。子どもたちが描く絵は、家や花、人といった穏やかなものばかりでした。また、見ず知らずの土地で、子どもたちが自分自身の身を守る方法も伝えます。何をされたら嫌か、そのようなことに遭遇しそうになった時にどのように助けを求めるのかなどを話し合います。

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自分の身を守ろう!

つらい時は、大人も集って話したいですよね。同じ境遇にいる人たちと語り合い、自分は一人ではないという連帯感を高めるため、赤十字では「夫のいない妻たちの会」や、「男性の会」を週2回開催しています。最初は緊張気味だった女性たちも少しずつ口を開き始め、経験したことを話していました。また、男性の会でも、それまで男性だけで集まる機会もなくそのような場所があることがとても嬉しいという声が聞こえてきました。

未曾有の緊急事態は未だ続いています。日本赤十字社はこの膨大なニーズに応えるため、来年3月末まで医療チームを派遣し、避難民の支援を続けます。皆様の温かいご支援をお願いします。

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