【5年ぶりの開催】アジア地域から9名の血液事業研修生が来日しました
令和6年11月28日(木)~12月9日(月)、日本赤十字社(以下、日赤)では海外血液事業研修生受入事業を実施しました。
この事業はアジア・太平洋地域の各国赤十字・赤新月社の血液事業の発展に寄与することを目的とし、1978年(昭和53年)から実施しており、
これまで22の国と地域からの研修生439名に対し、日赤の血液事業の技術や知識を共有してきました。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、2019年(令和元年)以降開催を延期していましたが、5年ぶりに事業を再開することができました。
本研修は、研修生の希望に合わせて研修内容を個別にカスタマイズできることが最大の利点です。
研修の参加国は、自国で先進的な細菌の検査方法を導入しているタイのような国もあれば、東ティモールやブータンのように献血制度の導入段階にある国もあり、研修生が学びたい研修内容は非常に多岐にわたります。
こうした各国の実情や要望に合った研修を行うため、本社での全体研修とは別に、個別研修を全国7か所にあるブロック血液センターおよびブロック内血液センターにて1週間実施しました。個別研修は、研修生の希望を事前に確認し、各ブロックの特性を踏まえたうえ実施しました。
血液検査の研修(北海道ブロック血液センター/モンゴル)
血液搬送容器の説明(東北ブロック血液センター/ブータン)
製造工程の説明(関東甲信越ブロック血液センター/インドネシア)
採血の研修(東海北陸ブロック内血液センター/ネパール・フィリピン)
献血バスの説明(近畿ブロック内血液センター/タイ・ベトナム)
広島赤十字・原爆病院メモリアルパークでの平和学習(中四国ブロック血液センター/カンボジア)
遠心分離した血液の成分を分ける手技の研修(九州ブロック血液センター/東ティモール)
研修生からは、「各国の制度を自国と比較できたことで、自国の状況や問題点がより明確になった」「血液事業に精通した先生方とのQ&Aセッションで貴重な知見を得ることができた」など、研修の専門性や有益性に対する具体的なコメントがありました。
また、研修内容への提案や研修スタッフによる献身的な配慮とサポートに対する感謝をいただき、将来の研修づくりに役立つ多くのフィードバックを得ることができました。
赤十字語学奉仕団の協力のもと、東京観光で日本文化に触れる研修生
各国における血液事業に関する規制や地理的事情などさまざまな背景がありますが、日赤の血液事業から各国の状況に則した技術や知識を少しでも参加国や地域へ持ち帰っていただき、アジア・太平洋地域の血液事業に貢献していくことを期待しています。
全ての研修日程を終えた晴れやかな笑顔の送別会
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