検査

検査

血清学的検査(血液型検査など)

献血された血液は全国8カ所の赤十字血液センターの検査施設に運ばれ、血液型や感染症関連検査(抗原・抗体検査、核酸増幅検査)の他、献血者へのサービスとしてお知らせする生化学検査・血球計数検査を実施しています。

【各種検査項目】

  • 血液型検査:ABO血液型検査、Rh血液型検査、不規則抗体検査、HLA検査(一部)
  • 抗原・抗体検査:梅毒血清学的検査、B型肝炎ウイルス検査(HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体)、C型肝炎ウイルス検査(HCV抗体)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査(HIV-1、2抗体)、HTLV-1抗体検査、ヒトパルボウイルスB19検査
  • 核酸増幅検査:B型肝炎ウイルス検査、C型肝炎ウイルス検査、E型肝炎ウイルス検査、HIV検査
  • 生化学検査
  • 血球計数検査

核酸増幅検査(NAT)

核酸増幅検査(NAT)

抗原・抗体検査はウイルスなどに感染した後、血液中に産生される抗原や抗体を検出する方法であるため、感染後しばらくは感染していることを検査で検出できない期間(ウインドウ・ピリオド)があります。
核酸増幅検査(NAT)は、抗原や抗体ではなくウイルスを構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を約1億倍に増幅しウイルスの有無を検出するため、非常に感度と特異性が高く、ウインドウ・ピリオドの短縮を可能にします。
 日本赤十字社は1999年(平成11年)より、血液の安全性向上を図るうえでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)について特に有効なNATを世界に先駆けて導入し、2014年(平成26年)8月1日からは、献血者1人分の血液ごとにNATを行う「個別NAT」を全国8カ所の検査施設で実施して、更なる安全性向上に努めています。また2020年8月5日からE型肝炎ウイルスについてもNATを開始しています。

【お願い】


しかし、感染初期の血液はウイルスが微量のために、どんなに高精度の検査法を導入しても、ウイルスが検出できない空白期間(ウインドウ・ピリオド)を完全になくすことはできません。
引き続き、「責任ある献血(※)」へのご協力をお願いいたします。

(※)「責任ある献血」とは、以下を守っていただくことです。
①エイズなどの検査を目的に献血を絶対にしないこと
②問診に正しく答えて献血していただくこと

血小板製剤の細菌スクリーニング

血小板製剤の細菌スクリーニング"

細菌スクリーニング検査とは、血液製剤中に細菌が混入していないかを培養により確認する検査で、細菌が増殖しやすい温度(20〜24℃)で保存する必要のある「血小板製剤」用の献血血液に限り実施します。

 これまでの細菌の混入対策は、献血時の皮膚消毒に加え、細菌が混入している可能性がある穿刺直後の少量の血液(初流血)は輸血用に使用せず、検査用血液や保管用として活用していましたが完全に細菌の混入を防止することは困難でした。
 また、血小板輸血が必要な患者さんは、白血病や再生不良性貧血などの血液の病気や、抗がん剤などの薬の副作用により赤血球や血小板をつくることが難しい方、細菌への抵抗力が弱った方が多くいます。このような患者さんは血小板製剤に少しでも細菌が混入していると重篤な細菌感染症を発症してしまいます。
 これまでは採血から輸血までの日数(有効期間)を短く(最大で採血日を含め4日間)することにより細菌感染症が発症しないよう対策してきましたが、さらなる安全対策として20257月より血小板製剤に対する細菌スクリーニング検査を導入することとしました。