大阪・関西万博　国際赤十字・赤新月運動館（赤十字パビリオン）

2025年11月13日

2025年4月13日から184日間にわたり開催された大阪・関西万博で、日本赤十字社が企画・制作・運営を務めた「国際赤十字・赤新月運動館」には、31万人を超える方々にお越しいただきました。 

国際赤十字・赤新月運動館は「人間を救うのは、人間だ。～The Power of Humanity～」を出展スローガンに、世界各地で頻発する紛争や災害による人道危機の現状を伝え、そこに立ち向かう人々のヒューマンストーリーを、没入感のあるドームシアターで上映しました。

パビリオン体験を通じて、一人でも多くの方に「いのちと健康、尊厳を守る」という人道の理念への理解と共感を深めていただき、人道アクションにつながるきっかけになることを願って、準備期間から会期中の184日間までを駆け抜けてきました。
ご来館いただいた皆さまと、心温まる時間を共に過ごせたこと、心より御礼申し上げます。

国際赤十字・赤新月運動館の体験

パビリオンでは、人道危機の現状を知るだけでなく、「自分に何ができるか」を深く考えるきっかけとなるよう、「気づき」「考え」「実行する」の３つのゾーンを約30分かけて体験いただきました。

【ZONE1】気づく

ZONE２へのプロローグとして、世界中の人々の何気ない日常をプロジェクションマッピングで演出。来場者にはこの空間で、世界の何気ない日常の光景と、そこで生きる人々の姿と共に、平和な日々の価値を改めて感じていただきました。

【ZONE2】考える

紛争や災害で突如として理不尽に日常を奪われる人道危機の厳しい現実を、体験者のリアルな証言と共に約10分の映像コンテンツにまとめ、没入感のあるドームシアターで上映。映像の中には、パレスチナ自治区のガザで医療支援事業に携わった川瀨佐知子、東日本大震災で被災しながら支援を続けた当時看護専門学生の藤田彩加と千葉梨沙、阪神・淡路大震災での経験から日赤への入社を決意した大林武彦の４人のメッセージも織り込まれました。
来館者の中には、真剣な表情で映像を見る方はもちろんのこと、涙される方もいました。

【ZONE3】実行する

ZONE1「気づく」とZONE2「考える」体験から、来場者が抱いた想いをメッセージ投稿できる大型スクリーン（メッセージウォール）を設置。来場者は、パビリオン体験で想ったことや自分に何ができるかといったことを言葉につづり、「1日１日を大切に生きたい」「献血から始めようと思う」「困っている人がいたら声をかけてたすけてあげたい」などのメッセージが投稿され、その数は9万件以上に及びました。
メッセージウォールの向かい側には、芽生えた想いを行動に移すきっかけとして、人を救う赤十字の活動を紹介。「こんな活動もあるんだ」という新たな気づきとともに、赤十字の活動を身近に感じていただけるコミュニケーションの場を設けました。パビリオンスタッフが全員、赤十字の職員とボランティアということもあり、来館者からは活動についての質問も多くいただきました。赤十字をより身近に感じていただき、深く知っていただける場となりました。

【スペシャル展示】

東日本大震災の発災後1カ月間、石巻赤十字病院に掲げられていた「赤十字旗」を展示。
風雪にさらされ擦り切れたこの旗は、「すべての患者を受け入れる」という赤十字の決意の象徴として今に受け継がれています。
SNSでこの旗の展示について広がり、来場者の中には、この旗を見るために来たという方も多く、パビリオンにとっても赤十字の想いが多くの方に伝わる象徴的なものとなりました。

赤十字パビリオン・万博会場内でのイベント

▼赤十字スペシャルデー

5月8日、赤十字の創設者であるアンリー・デュナンの誕生日にちなんだ国際デーに合わせて、「世界赤十字・赤新月デー」を開催。早稲田大阪高等学校ウィンドバンドによるマーチングバンド演奏や阪神・淡路大震災への祈りを歌にした「しあわせ運べるように」の合唱などを披露しました。

▼赤十字ウイーク＜未来の野外診療所～ゼロ・エミッションの災害医療～＞

５月４日〜10日、万博会場内「ギャラリーWEST」にて、緊急時の環境にやさしい災害医療の未来の姿を知って・体験できるイベントを開催。次世代災害医療用テントや再生可能エネルギーを利用した発電、イノベーティブな水循環システム、医療ロボットなどを展示しました。子どもも楽しめる展示でにぎわいました。

▼赤十字ウイーク＜赤十字祝ムーミン80周年～ムーミンアラビアとの共同キャンペーン～＞

５月５日〜９日、万博会場内「ギャラリーWEST」にて、赤十字の人道支援活動パートナーの一つであるムーミンアラビアとの共同イベントを開催。赤十字とムーミンアラビアの日本限定・万博限定コラボグッズなどを展示、販売しました。５月5日にはムーミンのグリーティングイベントも開催し、多くの人が集まりました。

▼国際赤十字の女性組織「GLOW Red」トークイベント

９月９日と10日、「ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier」の WAスペースにて、国際赤十字・赤新月運動における女性リーダーの活躍と育成を目標に掲げる女性組織、GLOW Red（グローレッド）が「多様性のある組織の構築を目指して」「災害や紛争における女性リーダー」をテーマにトークセッションを開催しました。