地域や職場で減災対策

近年、人間の想定を超える自然現象が発生し、住民の暮らしに大きな被害が発生する災害が多く発生しています。
これまでの災害対策では、被害をゼロにする「防災」が長く叫ばれてきました。しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験した後、一人一人の日頃からの備えや心構えが被害を最小限に減らすという「減災」の考え方と、それに基づく行動がより重要になってきました。
いざ災害が起きた時、できる限り被害を少なくするために、自分自身や地域・組織でできる減災対策を立てておきましょう。

災害時に必要な3つの役割「自助」「共助」「公助」

東日本大震災では、多くの人が災害時における個々の役割の大切さを学びました。
大規模な災害の発生直後には「公助」は期待できません。行動の基本は「自助」「共助」を中心に考えることが必要です。

「自 助」

「自分の命は自分で守る」。全ての人が自分の身を守るために全力を尽くさなければなりません。まず、自分がケガをせずに生き残ることが基本です。

「共 助」

ケガをせず生き残れたら、「家族と近所の人たちと助け合う」「地域の安全はみんなで守る」。自主防災組織のような地域コミュニティを中心とした単位で、助け合いましょう。

「公 助」

「国や自治体、防災機関などによる救助・災害支援活動」。災害の規模が大きくなるほど公助による住民への迅速な援助は期待できません。効果的な公助の展開には発災後1週間はかかると考えておく必要があります。

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地域や職場で減災対策

日頃からコミュニケーションを取る

日頃から様々なイベントに積極的に参加して、地域や職場の人たちとコミュニケーションを取ることが災害への備えとなります。コミュニケーションを通じて、近所に住む助けが必要な人を把握し、また災害時における地域・職場での各人の役割を明確にしておくことが減災へとつながります。

町ぐるみで災害対策

いざという時には隣近所で協力し合うことが大切です。
普段から声をかけ合い、消火方法や病人・ ケガ人の避難方法などを決め、訓練をしておきましょう。また、地域における防火用水、飲料水の確保、物資の備蓄の有無なども調べておくとよいでしょう。

職場での災害対策

職場の安全チェック、役割分担、避難方法などについて話し合い、日頃から訓練をしておきましょう。
また、「事業所防災計画」も作成しておきましょう。災害に備える事前の計画、災害時の活動計画、復旧計画、復興計画の4つが必要です。

リーダーを決め、各人の役割を明確に

災害時には、組織的に行動することが大切です。
リーダーの指示・誘導次第で被害状況は大きく変わります。リーダーは、その重要性を自覚して防災管理を行ってください。また、各人の役割を明確にし、それぞれが責任を持って行動しましょう。