知っておこう!手当の仕方 「アナフィラキシーショック」編
ハチに刺されたり、ピーナッツやエビ・カニを食べたことによって、全身に蕁麻疹ができり、呼吸困難や血圧が低下する「アナフィラキシーショック」を聞いたことはありますか?
■「アナフィラキシーショック」って何?
特定の物質に対する重篤なアレルギー反応を“アナフィラキシー”と言います。アナフィラキシーにより気道が狭くなって息ができなくなったり、血圧がひどく下がったりして生命にかかわることもあります。このような状態を「アナフィラキシーショック」といいます。
■原因は?
医薬品、ハチなどの昆虫による刺傷、食品などが多く報告されています。食品では、鶏卵、乳製品、小麦、そば、ピーナッツなどが多く、エビやカニなどの甲殻類、キウイなどのフルーツでも生じます。原因となる食物の摂取のあとに運動などを行うことで、アナフィラキシーを生じる場合があります。
■症状
皮膚・呼吸・循環・神経・胃腸の症状など、人によってさまざまです。なかでも、皮膚の紅潮、かゆみ、蕁麻疹、鼻水、喉のかゆみなどが多くみられます。アナフィラキシーが重度になると、5~30分という短い時間で呼吸困難や血圧低下が生じ、なかには心停止に陥る場合もあります。
■手当の仕方
・傷病者をゆっくりと横に寝かせ、あおむけにし、安静を保ちます。
・急に動かすことで急変する場合があるので、急に立ち上がったり、体を起こしたりしないようにゆっくり動くように促します。
・傷病者が医師からエピペン*の処方を受けているか確認をします。
・蕁麻疹が全身に広がっていたり、犬が吠えるような咳をするなど強い症状が出ていれば119番通報をします。
※通報の時点で傷病者がエピペンの処方を受けていることが分かっていれば、そのことを救急隊に伝えます。 ・傷病者がエピペンを使用しようとするのであれば、エピペンを持ってきたり、携帯用ケースから取り出したりするのを補助します。エピペンを使用した場合は、それを携帯用ケースに戻すことを手伝い、医療機関に持参するようにします。また、エピペンを使用した時刻を記録しましょう。 ※「エピペン(アドレナリン自己注射)」…アナフィラキシーの症状が出た時に使用し、症状が悪くなるのを抑えるための補助治療剤。使用は原則として、本人もしくは保護者が行う。
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