学校教育の中で生かす青少年赤十字とは ~令和2年度青少年赤十字研究会をオンライン形式で初めて開催

日本赤十字社は、青少年赤十字を推進している意義を学校教育行政関係者に正しく理解していただくことを目的に、各都道府県(市町村)教育委員会の指導主事を対象にした青少年赤十字研究会を毎年開催しています。

コロナ下では、令和3年1月8日(金)に初のオンライン形式で実施しました。全国から指導主事の先生方等70名が参加し、学校教育の中での青少年赤十字活動の現状と成果について実践例を通して確認いただきました。その研究会の内容をご紹介します。

赤十字の強みを活かしたプログラム その① 防災教育

平成27年に防災教育プログラム「まもるいのちひろめるぼうさい」を制作。累計で139,500部発行しており、全国2割程度と多くの学校に活用いただいています。

教材の目的が「生きる力を育む」という学校教育目標と合致しています。また、教材活用にとどまらず、赤十字の職員による出張授業、炊き出し訓練等も活用できます。

1_今日材のさらなる普及のために.jpg

赤十字の強みを活かしたプログラム その②国際理解・親善(海外支援事業)

青少年赤十字海外支援事業は、青少年赤十字メンバーが主体となって集める1円玉募金等の財源で構成されている事業で、平成29年からネパール赤十字社とバヌアツ赤十字社へ事業をそれぞれ行っています。高校生メンバーを対象としたスタディーツアーは、事業参加への主体性を高め、さらに現地の青少年との交流が、実体験を通じた国際理解・親善を深めることに繋がります。

2_ネパール・バヌアツへの海外支援事業

赤十字の強みを活かしたプログラム その③ 国際理解・親善(国際交流事業)

前回の2018年にはアジア大洋州を中心に赤十字の姉妹社から青少年40名を日本に招聘し、日本赤十字社の支部プログラムやホームステイ等を通じ各地で交流した後、東京で日本全国から参集した高校生メンバーと議論を深めるプログラムを実施しました。2020年にはコロナ下で初めてオンラインでの国際交流を実施しました。新型コロナウイルス感染症にどのように向き合うか、またそれに付随する偏見や差別をなくすためにはどうしたらよいか等の意見交換を行い今後の活動を考えました。赤十字のネットワークを生かし500名以上が参加した事業を展開しました。

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赤十字の強みを活かしたプログラム その④ ガイド「3つの顔」

医療や国際活動の知見を活かし日本赤十字社が作成した新型コロナウイルス感染症の3つの顔のガイドは学校の授業やホームルームでも使えます。(https://www.jrc.or.jp/volunteer-and-youth/youth/news/200416_006157.html

これらは令和2年8月の文部科学大臣からのメッセージとも合致し、同省による「差別・偏見をなくそうプロジェクト」でも活用されています。

3_赤十字の強みを生かしたプログラム.jpg

新学習指導要領と青少年赤十字の目標が合致

新学習指導要領では育成すべき能力として「思考力」、「判断力」、「表現力」が示されています。これらは青少年赤十字の目標と合致しています。

赤十字の目的である人道の実現、青少年赤十字においては人道的な心を持つ子どもを育成することは「自分の力を社会のために役立てる子」の育成であり、青少年赤十字は特別なことではなく、日頃の学校生活を青少年赤十字のフィルターを通して評価することが青少年赤十字の活動です。

4_青少年赤十字と新学習指導要領_w.jpg5_青少年赤十字の目的・目標.jpg

学校教育の中で生かす青少年赤十字

青少年赤十字では主体性を育むため、態度目標として「気づき」「考え」「実行する」を掲げています。これらは授業にも取り入れて実践することができます。生活や総合の時間で、身近な課題気づき、自分ができることを実行しています。

赤十字の強みを活かしたプログラムを活用し、様々な方法で子どもたちの気づき、考え、実行する力、リーダーシップを育成することが可能です。

学校現場を取り巻く課題を解決する手段としても青少年赤十字の普及が良い方法であり、今回ご参加いただいた指導主事、青少年赤十字全国指導者協議会、青少年赤十字加盟校、日赤支部・本社が繋がり、青少年赤十字のメリットを普及していくことの大切さを再確認した研究会でした。

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