溺れた人の救助

救助を行う前提として、「人」、「場所」、「もの」、「技術」などのあらゆる状況や条件を想定して最善の対策を立てる必要があります。1人で行うよりも複数で協力し合って救助する方が、より高い安全性・確実性・迅速性が得られます。さらに、水中で救助するよりも陸上から救助する方が二次事故の防止にもつながります。救助者は、現場の状況を正確に把握し、的確な判断の上、より安全に確実に迅速に救助できるよう心がけましょう。

陸上から救助する方法

陸の上から1
タオルや棒など身近なものによる救助

溺者を確認したら、できるだけ早く陸上を移動して、溺者に最も近いところからタオル、衣類、棒、ロープなど身近なものを差し出します。溺者がそれにつかまったのを確認した後、陸の方へ引き寄せてきます。救助者が溺者をつかむことのできるところまで引き寄せたら、確実に溺者を確保します。

陸の上から2
器具による救助

ロープをくくりつけたリングブイ等を投げるときには、ロープがからまらないように注意し、溺者に当たらないように、距離に余裕を持って投げることが必要です。(リングブイのほか、ペットボトルなどを利用する方法もあります。)
ロープは、大小の輪をつくって左右の手に分けてにぎります。あるいは、大きな輪をつくって足元に置いてもいいです。

  • まずブイを持った側の足を後方に引き、反対側の足でロープの端を踏んでおきます。
  • 溺者の頭上を越えて、後方に落ちるようブイを遠くに投げます。
  • しっかりつかまったことを確認してから、ゆっくり引き寄せます。
素手の場合

溺者を確認したら、できるだけ早く陸上を移動して、溺者に最も近いところで腹ばいになり手を出し溺者を確保し、陸の方へ引き寄せてきます。
救助者は、二次事故(災害)防止の視点から周囲の人々の協力を得て体をつかまえてもらったり、可能な限り重心を低くしてしっかりとした足場を確保して安全に留意して救助する必要があります。