脳卒中
脳の中またはその近くの血管が突然破れたり、血管の中に血のかたまりなどができて脳の血液循環が悪くなると、急激に意識障害や運動障害などを起こします。このような病気を脳卒中といいます。
症状
- 突然のしびれや脱力(体の半身の手足が動きにくくなったり、しびれたり、手足の力が弱くなったりします)。
- 突然の混乱、会話不能(うまく口がきけなくなったり、言葉を理解できなくなることがあります)。
- 突然の歩行困難、めまい、平衡失調(歩く足がもつれたり、立っていられなくなったりします)。
- 突然の激しい頭痛(くも膜下出血では、激しい頭痛や後頭部をバットで殴られたような激痛とともに、嘔吐を伴うことがあります)。
- 急激に意識障害を起こし、意識がもうろうとしたり意識不明になったりします。
- 呼吸が不規則になったり、重症では呼吸が停止します。
- 顔色は赤くなる場合もあり、青くなる場合もあります。
- 脈は強く、ゆっくりと打ちます。
- 瞳孔の大きさが左右で異なる場合があります。
- 眼球の動きが異常になり、両眼が一方に寄ったり、片側が外を向いたりします。
注意事項
ろれつがまわらない場合は、酔っ払いと区別しなくてはなりません。ただしアルコールを飲んでいて、脳卒中を起こす場合もあります。酔っ払っているからといって脳卒中ではないと早まった判断をしてはなりません。
手当
- 直ちに119番通報します。
- 急激に意識障害を起こし倒れて体を強く打つことが多いので、全身、特に頭を打っていないかよく調べます。
- 心身ともに安静にします。
- ネクタイ、ベルトなどを緩め、楽に呼吸ができるようにします。
- 水平に寝かせ、毛布などで保温をします。顔が紅潮しているときには、上半身をやや高くします。
- 嘔吐があるときには、吐いたものが誤って気管に吸い込まれないように、回復体位をとらせます。
- 意識障害があるときは、一次救命処置の手順により手当を行います。
注意事項
倒れた場所がトイレや浴室または戸外などの場合には、数人の手を借りて、近くで安静を保てる場所に静かに移します。その際、頭部と胴体を水平に保ち、特に頭が動揺しないように注意します。