深谷赤十字病院の新人看護師教育―「優しさ溢れる病院をめざして」―

深谷赤十字病院は、埼玉県北部地域に位置する506床の病院です。昭和25年の開設以来、地域の中核医療機関として質の高い、安全・安心な医療の提供に努めています。「優しさ溢れる病院」を目指す深谷赤十字病院ではどのような新人看護師教育が行われているのでしょうか。今年4月に就職した2名の新人看護師、上原さんと小内さんにインタビューを行いました。

-深谷赤十字病院に就職したきっかけを教えてください。

(上原さん)いくつかの病院を調べていくうちに、災害救護や国際活動を行う赤十字病院に就職したいと思うようになりました。複数の病院のインターンシップに行きましたが、患者さん中心のケアを行いつつ、周囲の患者さんやスタッフにも配慮をしていた先輩看護師に憧れて、深谷赤十字病院に就職を決めました。今はその方と同じ病棟に配属となり、日々頑張っています。

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「父がお世話になった看護師に、会うことが出来たときは嬉しかったです。」と話す小内さん。

(小内さん)子供の頃に父が深谷赤十字病院に入院した際、不安を感じていた私を励ましてくれた看護師が印象に残っていました。将来は一人の患者さんに時間をかけて向き合う訪問看護を目指しているので、訪問看護ステーションを持っていること、また総合病院で幅広い患者さんを診ていること、通勤面も考えて、同病院に就職しました。

-深谷赤十字病院はどのような病院ですか。

(上原さん、小内さん)病院全体で新人看護師を育ててもらっているなと感じています。職種に関係なく顔を合わせれば自然と挨拶があるし、入職1年目と分かると声をかけてくれます。

-深谷赤十字病院ではどのような研修を受けていますか

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集合研修では先輩看護師からのアドバイスをメモに書き留めます。

(上原さん、小内さん)新人看護師には入職して3ヶ月間、みっちりと集合研修があります。業務時間内に研修を受けられるので、無理なくストレスが少ないです。講義は、先輩看護師のみならず、医師、薬剤師、理学療法士など多職種のスタッフが講義してくれるので、院内で職種を超えて顔見知りがいることが心強いです。

病棟に配属されると、技術を教えてくれる実地指導者(※1)、精神的フォローを行うエルダー(※2)が一人ずつ付きます。それに加えて先輩看護師みんなが見守りサポートしてくれます。当院では、研修受講後、見学、見守りの段階を経てから実際に患者さんにケアを行うので、わからないままケアをするということはありません。

-就職から2ヶ月が経ちましたが、看護師として、また一社会人としてどのように感じていますか。

(小内さん)人の命を預かる責任をこれまで以上に感じています。当初は不安の気持ちがありましたが、独り立ちするまで先輩看護師が一緒にいて見守ってくれるので、安心しています。

今は覚えることがいっぱいですが、今後は退院後の生活まで考えた看護をできるように社会保障の勉強をしていきたいです。

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「憧れの先輩看護師と出会い、深谷赤十字病院に決めました。」と語る上原さん。

-就職活動をしている看護学生へメッセージをお願いします。
(上原さん)深谷赤十字病院は新人を病院全体で手厚く育ててくれる病院です。就職して看護師になることに不安もあると思いますが、リンクナース(※3)、実地指導者(※1)、エルダー(※2)だけでなくて、先輩看護師みんなが一人前になれるよう教育してくれたり、悩みを聞いてくれたり、アドバイスをくれたりして、私は今不安なく楽しく仕事ができています。きっと一度この病院を体験したら好きになってもらえると思うので、ぜひインターンシップにいらしてください。

教育を担当する柿澤看護副部長、大平看護師長にお話を伺いました。

―深谷赤十字病院ではどのような看護を目指していますか。

深谷赤十字病院看護部の基本理念は「赤十字の人道、博愛の精神に基づき、安全・安楽・安心に気配りした信頼される看護サービスを提供する。」です。安全への配慮はもちろんのこと、患者さんと家族が納得するケアを提供することが安心に、患者さんの身体的、精神的、社会的な苦痛の軽減に努めることが安楽につながると考えています。

―深谷赤十字病院の新人教育の特徴を教えてください。
3ヶ月間集中して行う新人研修や、各新人看護師に実地指導者、エルダーを付けることが特徴です。
また、1年目の毎月末には、新人職員が集まって振り返りをする機会を設けています。同期同士で楽しく話し合いリフレッシュできる時間や、自由に意見が言えるような場も大切だと考えているからです。

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実技指導で先輩看護師のデモンストレーションを見る目は真剣です。

新人教育にあたる実地指導者、エルダーへの教育も随時行っています。各病棟には教育のリンクナースがいます。対応困難事例の対処法などを学び、受け入れ側の教育とサポートも行うようにしています。新人看護師のバックグラウンドは様々です。新卒で入職した人もいれば、准看護師や介護職の経験、子育てがひと段落したことをきっかけに看護師を目指した人もいます。個人に合わせた対応をし、それぞれが適応しうまく働けるように支援することを心がけています。

―新人教育の他に力を入れていることを教えてください。

新人看護師だけでなく、中堅看護師、ベテラン看護師への継続教育の拡充にも取り組んでいます。看護部は女性が多い職場で結婚や出産などのライフイベントもあります。育児短時間制度を利用している職員もいますし、時間内に研修を行い、私生活も大切にしつつ無理なく継続してスキルアップを目指せるようにしています。

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終始笑顔で、インタビューに答えてくれた柿澤看護副部長と大平看護師長。アットホームな雰囲気が伝わってきます。

-就職活動をしている看護学生へメッセージをお願いします。

深谷赤十字病院看護部では医療チームの一員として役割を果たすために必要な知識、技術、態度を身につけることができるよう教育体制を整えております。みなさんと一緒に働くことができますよう心よりお待ちしております。

※1実地指導者  ・・・新人看護師に対して、臨床のOJTの中で直接指導、評価等を行う者。

※2エルダー   ・・・新人看護師の精神的フォローを行う先輩看護師。入職2~3年目等、境遇の近い者が担当する。

※3リンクナース ・・・教育に関する委員会と病棟をつなぐ看護師。

深谷赤十字病院ホームページ 》http://www.fukaya.jrc.or.jp/

深谷赤十字病院看護部(看護師のインターンシップ、採用情報 》
http://www.fukaya.jrc.or.jp/section/nursing/index.php

全国の赤十字病院の情報はこちらから 》http://www.jrc.or.jp/activity/medical/medical-search/