ルワンダ赤十字社との二国間事業を開始します!

~気候変動の影響や貧困などに対するレジリエンス強化支援~  

日本赤十字社(以下、「日赤」)は、本年12月よりルワンダ南部の経済的に貧しい5つの村を対象に、ルワンダ赤十字社(以下、「ルワンダ赤」)とともに気候変動等に対するレジリエンス強化事業を開始します。
 事業の開始を前に、9月末から10月にかけて、日赤福島県支部から1名、および北海道支部から1名の職員が本社職員とともにルワンダに出張し、村の現状と課題を調査し、ルワンダ赤職員やボランティアと支援に向けた協議を行いました。両職員が現地の様子をご報告します。

社会課題の解決を目指す「モデルビレッジアプローチ」

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事業対象地の村の人々。服装や靴、地域の様子が、首都から離れた農村では大きく異なる
© Atsushi Shibuya / JRCS

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ルワンダ赤のボランティアによる「栄養指導」。貧しい村では1食1品の家庭もあるため、バランスのとれた食事をとることの大切さを啓発している
© Atsushi Shibuya / JRCS

 ルワンダは「アフリカの奇跡」と呼ばれるほどの急激な経済成長を遂げています。一方で、首都キガリと農村部では格差が広がりつつあり、インフラの未整備、安全な飲料水の不足、感染症、気候変動による災害の被害、慢性的な貧困などといった社会課題に直面しています。
 この度開始する事業では、ルワンダ赤が開発し、長年培ってきた住民参加型の村落開発活動「モデルビレッジアプローチ」を用います。これは、災害や貧困などの社会課題に対して、個人や世帯、地域レベルで、住民が主役になって「自ら立ち上がる力(レジリエンス)」をつけるために行う活動です。ルワンダでは、ボランティアが中心となってこの活動を実施し、地域の課題解決を目指します。ルワンダ赤のボランティアの多くは20~30代。誰もが赤十字の理念に賛同してボランティア活動を行っており「自分の活動が貧しい地域の人々に役立っていることを誇りに思う」と話してくれました。

20kgのポリタンク ~「当たり前」の水くみを、なくす~

 支援の対象となる地区は、ルワンダの中でも最も支援が必要とされる地域。例えば生活用水を得るため、主に女性と子どもが毎日遠い小川までポリタンクを手に水汲みに出かけています。印象に残ったのは、お母さんの「毎日のことだから大変だとは思わない」という言葉。一方、既に他の赤十字社が支援に入ったことで水タンクが設置され、水くみから解放された村では、「子どもたちが学校に通えるようになった」と話す学校の先生がいました。日赤が支援することで人々の生活をより良くできると確信しました。

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子どもたちの日課である水くみの様子を調査する福島県支部髙橋主事。多い日は1日3回、1回1時間。水を満杯に入れたポリタンクの重さは、約20kgにも。
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既に支援が始まった村では、水タンクが作られ、水道が引かれたことによって、手洗いが出来る環境になり、また、子どもたちが学校に通えるようになった。
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赤十字ボランティアの想い ~国境を越えて想いは一つ~

 この事業は、赤十字ボランティアの協力なくしては実現しません。支援の対象となる地区のボランティアに次の質問をしました。「なぜ、あなたは赤十字ボランティアを行っているのか?」ある人は、「赤十字はハッピーだ。色々な人をハッピーにし、それが自分の幸せにもつながるから」。また、ある人は、「弱い人をはじめ様々な人を助けたいから」と少し照れながらも素直に答えていました。「苦しんでいる人を救いたい」という想いは日本から遠く離れたルワンダでも同じです。同じ想いを持つ仲間と共に活動することは、村の様々な問題の改善に繋がると強く感じました。

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水道管の不具合をなおすルワンダ赤のボランティア

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ルワンダ赤職員・ボランティアとともに。
北海道支部松井係長(中央)と本社国際部辻田課長

 2011年の東日本大震災の後、ルワンダ赤は人々に募金を呼びかけ、日本の被災者のための支援を届けました。国連人間開発指数では189カ国中158位というルワンダ。遠い日本で起きた災害に心を痛め、支援の手を差し伸べてくれました。「今回は、日本がルワンダに支援の手を差し伸べる番」ということを確認しました。

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