日本だけではない、被爆国

1945年8月、世界で初めて原爆が広島と長崎に投下され、多くの人々が犠牲となりました。70年以上たった今も苦しみ続けている人が大勢います。いまもなお、世界には約1万5,000発の核弾頭が存在し、冷戦時代以上に核兵器が使用されるリスクが高まりつつあると言われています。今回の赤十字国際ニュースは、ヒロシマ、ナガサキに続く人類の被爆体験、「核実験」に着目します。

日本だけではない、被爆国

核兵器の被害にあったのは日本だけなのでしょうか。核兵器を開発するためには実験が必要です。1945年、アメリカのニューメキシコ州で世界で初めての核実験が行われてから、これまで2,050回以上の核実験が行われきました。
 アメリカはネバダ砂漠や太平洋でロシアはカザフスタンや北極海で、イギリスはオーストラリアや太平洋の島国で、フランスはアルジェリアや南太平洋の仏領ポリネシア・タヒチで中国は新疆ウイグル自治区で実施しました。ワシントンやモスクワなどの大都市から遠く離れ、多くの場合は植民地や先住民族の暮らしている土地でした。(川崎 哲「核兵器はなくせる」、岩波ジュニア新書、2018)

1954年3月1日、ヒロシマ、ナガサキに続く3度目の閃光

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第五福竜丸の展示©第五福竜丸展示館

1954年3月1日午前3時45分、アメリカが太平洋のマーシャル諸島・ビキニ環礁で行った水爆実験「ブラボー」は世界に衝撃を与えました。その爆発力は、広島に投下された原爆のおよそ1,000倍もあったのです。

爆心地から160キロほど離れた地点で操業していた日本のマグロ漁船(第5福竜丸)はいわゆる「死の灰」を浴びて被爆し、大きな社会問題となりました。

爆発の瞬間、西の空に強烈な閃光を見た乗組員の一人大石又七さんはこの瞬間を次のように証言しています。「夜明け前の静かな洋上に稲妻のような大きな閃光がサァーッと流れるように走った。(中略)光は、空も海も船もまっ黄色に包んでしまった」(大石 又七「死の灰を背負って-私の人生を変えた第五福竜丸」、新潮社、1991)

さらに現地の島民は、被爆をしても補償や治療を受けられず、長期にわたり置き去りにされてきました。核実験により被爆した人々は世界に多く存在しているのです。

私一人の力では変えられない~マーシャル諸島赤十字社ボランティアの声

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マーシャル諸島赤十字社ボランティアのDiliaさん

日本赤十字社は「核兵器廃絶に向けたユースアクションフォーラム」を7月1日~3日にかけて広島市内で開催しました。日本を含む世界12カ国から赤十字ユースボランティアが参加しました。このフォーラムは、原爆被害の実態や核兵器の恐ろしさについて、日本から世界に向けて発信するだけではなく参加したユースが自分事として行動するきっかけを作るという大きな意義が込められています。

中でも、彼らの胸に深く刻まれたのは、被爆者たちの証言の数々でした。マーシャル諸島赤十字社のDiliaさんは、このフォーラムの参加者で、30時間以上かけて広島の地を訪れました。彼女は家族が核実験の被爆者でした。「私の両親は核実験の被爆者で、私自身も甲状腺のがんを患いながら生きている。日本で被爆者の方のお話を聞き、似た境遇の一人として共感し、勇気づけられた。核兵器廃絶に向けたこのように取り組みを行う仲間に会えたことにもとても感謝している。私一人の力では変えられない、皆さんの力が必要だ」とフォーラムの最後には涙を流しながらDiliaさんは語りました。

私たちが被爆者の語り部の方々から被爆体験を直接聞く機会は限られています。今を生きる私たちの役割とは何でしょうか。赤十字はこれからも核のない未来を希求し、世界と共にこれからも歩み進めていきます。

核兵器廃絶に向けたユースアクションフォーラムの様子はこちら↓

・赤十字この一年(動画)

https://www.youtube.com/watch?v=r6iEwPXLTJs&feature=youtu.be(2019年8月6日時)

・2019年国際ニュース第28号

https://www.asahi.com/articles/ASH7R5WJMH7RPTIL019.html(2019年8月6日時点)

もっと核兵器の問題について学びたい方はこちら↓

・赤十字国際委員会(ICRC)大きすぎる犠牲:人類が払う代償に照らした核兵器の再考

http://e-brief.icrc.org/issue/nuclear-weapons-the-human-cost-ja/?lang=ja(2019年8月6日時点)

・川崎 哲「核兵器はなくせる」、岩波ジュニア新書、2018

国際赤十字は第7回アフリカ開発会議に参加します!公式サイドイベント開催決定!

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奮ってご参加ください!

(詳しくはこちらをクリック)http://jp.icrc.org/event/ticad7-universal-health-coverage/