血液事業の現状とこれから

少子高齢社会を迎えて

輸血用血液製剤や血漿分画製剤の多くは高齢者の医療に使われており、輸血用血液製剤の約85%は50歳以上の方々に使用されています。

一方で、献血いただいている方の約70%は50歳未満の方々であり、この世代の方々が輸血医療を大きく支えています。しかし、若年層の献血者数は減少傾向にあります。日本の少子高齢化が今後ますます進んでいくと、将来の安定供給に支障をきたす恐れがあります。

血液は長期保存することができませんので、医療機関に安定的に血液を供給するためには、輸血用の血液を十分に確保する必要があります。今後の安定供給のためにも、特に若い世代の献血へのご理解とご協力が不可欠になっています。

広域事業運営体制の導入

安全性の向上、安定供給とともに事業者の責務として効率的な事業運営を行うことで、国民に信頼される持続可能な血液事業体制を確立するため、平成24年4月より広域事業運営体制を導入し、それまでの都道府県単位で行っていた事業を、全国に7つの本社直轄施設(ブロック血液センター)を設置して事業を実施する体制としました。

このことにより、より安全で均質な血液製剤を、安定的に医療機関へ供給することができるようになります。そのため、血液製剤の需給管理業務、検査・製剤業務等をブロック血液センターに集約しました。なお、献血や血液製剤の供給はこれまでと変わらず都道府県の血液センターが担い、さらに安心して献血にご協力いただけ、供給ができるように取り組んでいます。

成分献血および400mL献血の推進

人間一人ひとりの血液は、たとえ血液型が同じでも微妙に違っています。このため複数の献血者の血液をあわせて一人の患者さんに輸血するほど、副作用(発熱、発疹など)発生の可能性が高くなります。

400mL献血と成分献血は、200mL献血に比べて献血量が多いことから、少ない献血者からの輸血を可能にし、安全性を向上させる献血の種類といえます。

そのため、献血いただく方のご意思を優先し、献血によって体調を崩すことのないよう、医師の問診により健康状態について慎重に確認したうえで、400mL献血と成分献血のご協力をお願いしています。

献血者減少時期のご協力

日本赤十字社では、医療機関の血液需要を予測し、これに沿って献血のご協力をお願いしています。しかしながら、全国的に見ると、特に冬場から春先にかけては、風邪などで体調を崩す方が多いことや、学校や企業、団体などの協力が得られにくくなることから献血者が減少してしまいます。お盆や年末年始などにも一時的に減少しがちです。

このことは、長期保存することができない輸血用血液製剤の不足を引き起こします。このような場合、全国にある血液センター間の相互協力により、医療機関へ血液が確実に届くようにしておりますが、常に迅速かつ安定的な供給を図るためにも献血者減少時期の一層のご協力を必要としております。