【アフガニスタン】地震発生から1カ月、地震以前からの人道危機がさらに深刻化 WORLD NEWS アフガニスタン地震災害

被災地を調査するアフガニスタン赤新月社職員と国際赤十字・赤新月社連盟職員

6月下旬、相次ぐ自然災害や紛争による深刻な人道危機に直面していたアフガニスタンで、大規模な地震が発生しました。国際赤十字による緊急支援について報告します。

人道危機のさなかを襲った大規模地震

被災地の子どもと話をする国際赤十字・赤新月社連盟職員

 6月22日未明にアフガニスタン南東部で発生したM5.9の大規模地震から1カ月が経過しました。長引いた紛争による社会的混乱や干ばつによる食料難など複合的な人道危機下にあった同国ですが、このたびの地震により事態はさらに深刻化しています。

 被害が大きかった地域は同国でも特に貧しい山間部で、一般的な家屋は土を固めて干しただけのレンガ造り。耐震性も低く、この地震で亡くなった方のほとんどが倒壊した家屋の下敷きになり、命を奪われました。また地震の発生は人々が寝ている時間帯だったため、逃げ遅れた人も多かったとみられています。
 7月上旬までに死者1000人以上、負傷者1600人以上が報告されました。

国際赤十字が資金援助要請を拡大

小麦粉や油、水といった食料品などの物資配布にできる人だかり/

 アフガニスタン赤新月社では地震発生直後から迅速に支援活動を開始しました。さらに国際赤十字はアフガニスタン赤新月社と共同で被災地調査を実施し、どのような支援が必要であるかを確認して今後の支援計画を策定しました。

 被災者数は25万人と推定されており、うち40%は子どもです。地震で家族を失った人も多く、こころのケアとともに、同伴者のいない女性や子どもといった弱い立場に置かれやすい人々のリスク軽減や支援へのアクセス向上が求められています。また水や食料などの救援物資、今生きていくための現金給付、避難所の提供などの支援も必要です。中期的には家屋の修理や、生計の立て直し、保健施設の再建などハード・ソフト両面からの支援も欠かせません。数カ月後に訪れる極寒の冬を前に、あらゆる面での復旧が急がれます。

 国際赤十字・赤新月社連盟では以前から同国の人道危機に対する緊急救援を呼び掛けてきましたが、このたびの地震を受けて資金援助の要請を拡大しています。日本赤十字社でも緊急支援として1000万円の支援援助を行い、救援金の募集を開始しました。

2022年アフガニスタン地震救援金
皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
[ 募集期間 2022年9月30日(金)まで ]