JRCによく寄せられるお問い合わせ

「赤十字」はどのように誕生したの?

赤十字の創始者アンリー・デュナンが「ソルフェリーノの思い出」で提言した3つの訴え(人道的発意)を具体化するために委員会を設立したのが始まりです。この委員会が、国際会議へと発展し、1864年にはジュネーブ条約の締結につながりました。1864年以降、ヨーロッパを中心として創設された各国赤十字社は急速に世界各国に広まり、現在は190の社が承認されています。

「青少年赤十字」で期待されることはどんなこと?

赤十字活動の目的は「人道」の実現です。あらゆる状況下において人間の苦痛を予防し、軽減するために国際的および国内的に努力し、生命と健康を守り、人間の尊重を確保することが重要です。これらの考えは、青少年赤十字の理念や活動の中に受け継がれ、誰の心の中にも本来ある「やさしさ」や「思いやり」の心を引き出し、育てていくことが青少年赤十字の役割であるといえます。

青少年赤十字の目的はどう達成していくの?

青少年赤十字の目的を達成するためには「実践目標」と「態度目標」を提示しています。この「実践目標」と「態度目標」を意識していくことが大切です。

【実践目標】
健康・安全 命と健康の大切さを学び、人間尊重の精神を養うことを目指している。 国際理解・親善 国家や民族、宗教、思想の異なる人々が世界において共に生きるために必要な相互理解と融和の精神や受容と寛容の心を育むことにより、世界の平和の実現を目指している。 奉仕 義務や強制によるのではなく、社会の一員としての自覚(市民意識)に根ざした各自の自発的な行動。

【実践目標】
子どもたちに「注意深い生活」を心がける習慣を養うとともに、自ら自分の生活または社会の問題やニーズに「気づき」、その原因と解決のための道筋や方法を「考え」、問題解決のために具体的な活動を「実行する」ことの大切さを意識づけるのに役立つ。

学校教育におけるJRCの位置付けとは…?

特にJRC教育を位置づける必要はありません。すべての教育活動を通して行われる教育活動がどのようにJRC教育とつながるかを意味づけ、意識化し、一つの切り口として進めることが大切です。

JRC教育における「指導案」はどう作るの?

JRC教育の指導案はこうした形というものがあるわけではありませんが、「実践目標」「態度目標」と「研究主題」を明記し、位置づけて指導にあたることが重要です。

JRCの登録式はどのように行うの?

青少年赤十字メンバーとしての意識を高め、互いの連帯感を高めることが登録式を行うねらいとなります。教師間だけではなく、児童にも赤十字の精神や青少年赤十字の趣旨徹底を図ることが大切です。

児童会に位置付けた活動はどんなものがあるの?

これまで行ってきた活動についてはJRCとしての「意味づけ」を行うことで児童の意識も変わってきます。担当教師がアイディアを与えることで発想に広がりも生まれ、児童の主体的活動が展開されます。

JRC教育では外部とどんな連携を図るの?

「他者理解」「他とのつながり」を重視していく上で、外部の方との連携を積極的に図ることは大きな意義をもってきます。様々な形態を工夫して指導を進めることで教育効果が上がっていくことが期待できます。

教師間の連携はどんな風に図っていくの?

会議で共通理解を図ることはもちろんですが、掲示板や通信の発行も有効です。特に、掲示板の活用は、JRCの理念を育てる上で効果的な手法と考えられています。他人に指示されて行動を起こすのではなく、掲示板を通して、必要な情報を得、自ら主体的、自律的に「注意深く生活」することが期待されます。

「気づく」児童の育成のための手立ては?

授業の中で「気付く」場面は、導入に多く位置付けられるようです。実物を見せられたり、意外性のある事実を突きつけられたりすることで関心が高まり、それが「気づき」につながっていくようです。具体的な手立てとしては以下のようなものがあります。

「考える」児童の育成のための手立ては?

授業の中で「考える」場面は、展開場面に多く位置付けられますが、導入で考えさせてから展開に入ったり、終末で子ども達に考える場面をもってオープンエンドの形で進めたりすることもあるようです。どこで、何を、どのように考えさせていくかという見通しをもって、指導にあたることが大切です。

「実行する」児童の育成のための手立ては?

「気づき」「考える」ことだけで満足するのではなく、それを「実行」に移すことができてはじめて、指導が生きたととらえられると思います。心の中で「思っている」だけの状態から、それを「表現する」「(自分の思いとして)表出する」ことは「思いやり」のあり方につながります。 「~のために」率先して行動に移すことができるのは、赤十字で目指す実行力(=リーダーシップ)につながると考えられます。 どこで、何を、どのように考えさせていくかという見通しをもって、指導にあたることが大切です。