外国にルーツをもつ学生に「やさしい日本語」で救急法を伝える ― 7月16日、蟹江町ユーゼックインターナショナルスクールで講習会を開催 ―

7月16日(水)、蟹江町にあるユーゼックインターナショナルスクールにて、日本語を学ぶ外国人学生を対象とした「やさしい日本語」による救急法講習を実施しました。 

ユーゼックインターナショナルスクールは、日本での進学や就職を目指すネパール、ミャンマー、ベトナム、台湾など多国籍の学生が在籍する日本語学校です。今回の講習は、同校から「学生たちに日常生活や災害時に役立つ応急手当の知識と技術を身につけさせたい」との依頼を受け、実現したものです。 
当日は、60名を超える学生が参加し、心肺蘇生(胸骨圧迫・人工呼吸)やAED(自動体外式除細動器)の使い方について学びました。多くの学生にとって、こうした救命技術を学ぶのは初めての経験であり、「やさしい日本語」での説明に耳を傾けながら、真剣に取り組んでいました。 

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講習では、専門的な用語を避けて、誰にでもわかりやすく伝える工夫を行いました。たとえば、胸骨圧迫は「むねの まん中を 何回も おすこと」、人工呼吸は「たおれた 人の 口から いきを ふきこむこと」と説明。AEDについても「さいしょに みどりの ボタンを おます」など、「やさしい日本語」で作成したテキストやジェスチャーも交えながら、親しみやすい内容で伝えました。  

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参加者からは、「母国でも119番で救急車を呼びます!」「信号に書かれた住所を救急車に伝えるといいと初めて知った」などの声があり、日本と母国との制度の違いや共通点に気づく姿が印象的でした。また、「日本でアルバイトをしているときに、もしお客さんが倒れたらどうすればいいか不安だった。今日知れてよかった」といった実生活に即した感想も多く聞かれました。 

日本赤十字社の救急法講習とは?

日本赤十字社では一般市民を対象に救急法講習を実施しています。救急車が到着するまでの間に行う応急手当(一次救命処置)は、傷病者の命をつなぐうえで非常に重要です。 
特に、心停止の場面で行う胸骨圧迫や人工呼吸、AEDの使用は、数分の対応が生死を分けることもあります。日本赤十字社愛知県支部の講習では、こうした知識と技術を、年齢や言語、立場を問わず誰もが実践できるように工夫して伝えています。 
今回の講習では、日本語が得意でない方にも正しく伝わるよう、「やさしい日本語」を用いて進行しました。やさしい日本語は、外国人や子どもなど、言葉に不慣れな方に対して情報を正確に伝えるための表現方法であり、災害時や緊急時の支援にも役立つ重要なコミュニケーション手段です。 

 今後も日本赤十字社愛知県支部では、すべての人に開かれた防災・手当の実践に向けて、言語や文化の壁を越えた取り組みを進めてまいります。 

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