赤血球製剤

1.製剤の外観確認

次のような外観異常を認めた場合は使用しないでください。
・血液バッグ内の血液の色調変化、溶血、凝固など
・血液バッグの破損

2.患者と製剤の確実な照合

複数名で行います(PDA等の電子機器による機械的照合と併用することが望ましいです)。

照合するタイミング 製剤の受け渡し時、輸血準備時、輸血実施時
照合する項目 患者氏名(同姓同名に注意)、血液型、製剤名、製造番号、有効期限、交差適合試験の検査結果、放射線照射の有無など
照合する資材 交差適合試験票の記載事項、製剤本体および添付伝票

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3.ろ過装置を具備した輸血用器具を用いて、静脈内に必要量を輸血してください。

輸血用器具は輸血セットを用います。なお、血小板輸血セット、輸液セットは使用しないでください。

輸血セットの一例
輸血セットの一例

輸液セットの一例
輸液セットの一例(輸血には使用できません)

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4.輸血セットの接続

輸血用器具(輸血セット)とは、生物学的製剤基準・通則44に「人全血液等の血液製剤の輸血に適当と認められた器具であって、そのまま直ちに使用でき、かつ、1回限りの仕様で使い捨てるものをいう」と記載されています。

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5.患者の観察、輸血速度

輸血前 体温、血圧、脈拍、可能であれば経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する。
輸血中 観察
  • 輸血開始後5分間は急性反応確認のためベッドサイドで患者を観察する。
  • 輸血開始後15分程度経過した時点でも再度患者を観察する。
  • 輸血による副作用と考えられる症状を認めた場合は直ちに輸血を中止し、医師に連絡をとり、輸血セットを交換して生理食塩液または細胞外液類似輸液剤の点滴に切り替えるなどの適切な処置を行う。
速度
  • 成人の場合、輸血開始から最初の10~15分間は1mL/分で輸血する。その後は患者の状況に応じて5mL/分まで速度を上げることができる。ただし、大量出血等では急速輸血が必要となる。
  • うっ血性心不全が認められない低出生体重児では、1回の輸血量を10~20mL/kgとし、1~2mL/kg/時間の速度で輸血する。
輸血後 患者氏名、血液型、製造番号を再度確認し、診療録にその製造番号を記録する。
輸血関連急性肺障害(TRALI)や細菌感染症などの副作用が起こることがあるので、輸血終了後も継続的な患者観察を行う。

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輸血に関する注意点

  1. 溶血や凝固、変色など外観上に異常を認めた場合は使用せず、最寄りの血液センター医薬情報担当者にご連絡ください。
  2. 赤血球製剤は、自記温度記録計と警報装置が付いた輸血用血液専用の冷蔵庫で、2~6℃で冷蔵保存します。冷凍庫や室温に放置することにより溶血が起こる可能性がありますので、貯蔵時の温度管理は適正に行ってください。
  3. 通常の輸血では加温の必要はありません。
  4. 輸血用血液製剤は単独投与が原則です。ほかの薬剤との混注は避けてください。混注すると薬剤の効果が得られなくなったり、配合変化の原因となることがあります。全血製剤や赤血球製剤では、特にブドウ糖溶液やカルシウムイオンを含む乳酸加リンゲル液、またカルシウム剤などとの混注は避けてください。
  5. カルシウムイオンの入っている輸液剤やカルシウム剤と血液を混合すると、凝固が起こりフィブリンが析出します。またブドウ糖溶液と血液を混合すると、赤血球が凝集したり赤血球の膨化による溶血が起こります。やむを得ず同一ラインで輸血を行う場合には、輸血前後に生理食塩液を用いてラインをフラッシュ(リンス)してください。
  6. 細菌汚染を避けるために、本剤を使用するまで輸血口を開封しないでください。また、小児等への輸血で全量を使用しなかった場合、本剤の残りは廃棄してください。
  7. 輸血中は輸血用器具の目詰まりが発生することがありますので注意してください。
  8. 細い針等の使用時に、強い力で加圧・吸引すると溶血することがありますので、注意(特に吸引時)してください。
  9. 使用されなかった血液(ただし、使用直前まで適切な状態で保存されていたもの)は輸血部等の血液管理部門へ速やかに返却し、他の患者に利用できるよう血液の有効利用にご協力ください。
  10. 本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合はその名称(販売名)、製造番号、使用年月日、患者の氏名・住所等を記録し、少なくとも20年間保存してください。

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