こころのケア班が帰還 感染症など心配(台風第19号災害)

 日赤福井県支部では、被災者のそばに寄り添いながら傾聴などに努めるこころのケア班を11月1日から5日まで長野県へ派遣した。
派遣されたのは福井赤十字病院看護師長の松田ゆう子さんと寺島由美さん、看護師の西尾瑞穂と主事の鈴木敏弘さんで、一行は1日早朝6時半に同県支部を出発し、日赤長野県支部内の災害対策本部でブリーフィングを受けたのち、長野市内ほか5ヵ所の避難所を担当した。
日中だけなく、家の片付けなどを終え避難所に戻ってくる時間帯も巡回し、一日の活動を終えるのは夜の10時を回ることもあった。
被災者はもちろん、被災者の救援にあたる援助者もこころケアは必要なため、ストレスが高い避難所の管理者やボランティアの声にも耳を傾けた。発熱を訴えたり肺炎を疑ったりする避難者に対しては、隔離する部屋を設営し確保するなどにもあたった。
5日夜7時半に帰還した班のリーダー的存在の松田看護師長は、「被災者は自宅の片付けや長期化する避難生活で、疲労が蓄積している。そのうえ寒くなってきたため発熱者が見られ、感染予防がより重要となっている。こころのケアと医療ニーズへの対応を並行して行っていくことが大事」と心配しながら話し、活動を振り返って今後の被災地への対応を思いやった。

  • 被災者に話しかける松田看護師長(右)と寺島看護師長(左)

  • 被災者の声に耳を傾ける松田看護師長(左)

  • じっくりと話を聞く西尾看護師(右)