シンガポールの青少年赤十字メンバーが徳島にやってきました!
令和7年10月25日~29日、青少年赤十字(JRC)国際交流事業の一環として、シンガポールのJRCメンバー2名が徳島県支部を訪問しました。
「Think globally, Act locally」をテーマに、気候変動や人道課題について、県内のJRCメンバーとの交流を通じて理解を深めました。
◆徳島県JRCメンバーとの交流◆
10月26日、徳島県支部にて開催された学習会(Welcome Party)には、県内7校から24名の高校生JRCメンバーが参加しました。災害時の非常食づくり体験では、災害炊飯用袋を使った炊き出し訓練を実施。海外メンバーは初めての挑戦に戸惑いながらも、仲間と協力してお米を詰める姿が印象的でした。
続いて、高校生メンバーによるJRC活動や日本文化の紹介が行われ、シンガポールのJRC活動や文化についても紹介。活動内容の違いや共通点を通じて、互いの理解が深まりました。
最後には、日本文化体験として書道を楽しみ、筆を手に取り自由に文字を書く中で、笑顔があふれる楽しい交流の時間となりました。
10月28日、小松島市芝田小学校で行われた交流会では、全児童が元気いっぱいの歓迎ダンスを披露。海外メンバーは、心のこもったおもてなしに感動し、笑顔で応えていました。
特別講義では、シンガポールの多民族文化や食文化を紹介。「シンガポールで最も高い建物は?」という児童からの質問に、「65階建てで約290メートルの建物が最も高い」と答えると、児童たちは驚きの声を上げていました。
その後の英語を使った交流会では、ジェスチャーを交えながら楽しくコミュニケーションをとり、言葉だけでなく心で通じ合う時間となりました。
10月29日、鳴門教育大学附属中学校で行われた授業に参加し、「気候変動」をテーマにした学びを深めました。
まず、日本における気候変動対策について学んだ後、シンガポールの現状と取り組みを紹介。赤道近くに位置するシンガポールでは、一年を通して高温多湿の気候が続き、地球温暖化による海面上昇などの影響が深刻です。
授業では、気候変動への対応として「緩和(原因を減らす)」と「適応(影響に備える)」の両方が重要であることを学び、地球規模の課題への理解を深める貴重な機会となりました。
◆県内の赤十字施設の訪問◆
徳島県赤十字血液センターでは、職員から献血の流れや血液製剤の管理について説明を受けました。
見学では、血液製剤の保管室を訪れ、厳格な温度管理や安全対策を学びました。さらに、献血バスや献血運搬車を見学し、献血の実施方法や血液製剤の運搬体制について理解を深めました。


徳島赤十字ひのみね医療療育センター附属乳児院では、施設内の設備を見学し、子どもたちとのふれあいを楽しむ貴重な時間を過ごしました。
続いて、徳島赤十字病院を訪れ、救急医療について説明を受けました。ドクターヘリポートやドクターカーの内部を見学し、災害時や緊急時に対する医療体制について学びました。
◆防災・文化・人道を体験する学びの時間◆
「阿波子育て支援センターあおぞら」では、地域の親子とともに災害時ロープワーク講習に参加しました。実際にやってみると難しいロープワークですが、災害時はもちろん、日常でも役立つ結び方に、真剣な様子で取り組んでいました。
そのほか、シンガポールのメンバーは徳島の伝統文化である藍染めや阿波踊りを体験し、徳島ならではの文化にふれる貴重な時間を過ごしました。
さらに、人道学習では鳴門市ドイツ館、赤十字ゆかりの地を訪れ、板東俘虜収容所で行われた人道的な史実について学びました。国境を越えた思いやりの精神を知ることで、平和の大切さを改めて考える機会となりました。


今回の交流を通して、参加者たちはお互いの文化や考え方に触れながら、青少年赤十字の実践目標である「国際理解・親善」の心を育むことができました。