避難前・避難中・避難後を知ろう ~京都刑務所防災展に参加しました~

画像 食べ物を喉に詰まらせてしまったときの応急手当の方法も紹介しました。  

令和8年2月28日(土)に京都市山科区の京都刑務所で開催された「令和7年度 京都刑務所防災展」の一環として、会場に集まられた地域住民の方々を対象に、赤十字防災セミナー主任指導者の松田が、「避難所生活の実情」をテーマに講話を行いました。京都刑務所と日本赤十字社京都府支部は、これまでも防災訓練や救護訓練などを通じて連携しており、今回も地域防災啓発の機会として参加しました。

過去の災害事例から学ぶ~避難所にたどり着くまで~

講話では、能登半島地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災などの被災地で見てきた実情をもとに、避難所生活の現実について紹介しました。
特に強調したのは、避難所での生活だけでなく、無事に避難所へたどり着くまでの過程の重要性です。
避難ルートには倒壊建物や河川の増水、土砂の流出、道路の破損、落下物など多くの危険が潜んでいます。
また、避難所に行かず自宅で避難する「在宅避難」を選択する場合にも、相応の備えが必要です。
避難の形は一つではなく、指定避難所のほか、親戚宅や車中泊など複数の選択肢があることを示し、平時から自分や家族にとって安全な選択を考えておく大切さを共有しました。

地震災害と水害、それぞれに必要な備え

地震災害は事前に避難ができないため、家具の転倒防止など日頃の備えが重要です。外出先や旅先でも、地震の可能性を意識し、周囲の危険に気づく力が命を守ります。一方、水害は早めの避難が可能ですが、自宅が安全か避難が必要かは立地条件などによって異なります。
能登半島地震では、地震後の土砂崩れにより河川の治水能力が低下し、その後の大雨により水害が発生し、自宅ごと流されてしまった事例を紹介しました。また、平成21年の兵庫県佐用町の水害では、避難中に被害に遭われたケースもあり、住んでいる地域の特性を知り、備えておくことの重要性をお伝えしました。

避難所生活で直面する課題 ~ トイレの問題~

避難所生活で多くの被災者が困ったと感じるのがトイレの問題です。
トイレ環境が悪いと水分摂取を控えがちになり、脱水、便秘、熱中症、エコノミークラス症候群などの健康被害につながります。
実際に、水分不足により高齢者が食事中に喉を詰まらせた事例も紹介しました。

避難所運営は~みんなで支え合う~

避難所では、リーダーや役割分担を決め、トイレ清掃などを当番制で行うなど、ルールを共有することが重要です。
運営する地域の方々自身も被災者であることが多く、避難者一人ひとりが協力し合う姿勢が欠かせません。
そのためにも、普段からのご近所づきあいも大切であることをお伝えしました。

まとめ

今回のセミナーを通じて、「避難前・避難中・避難後」を含めた備えの重要性を改めてお伝えさせていただきました。
日頃から考え、備え、地域で話し合っておくことが、いのちと暮らしを守る力につながります。
日本赤十字社京都府支部では、地域の防災力向上を目的とした「赤十字防災セミナー」を随時実施しています。
地域や学校、職場などを対象に、地域の特性に応じたプログラムをご用意していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!