三河海上保安署で赤十字救急法短期講習が開催されました

 愛知県豊橋市にある三河海上保安署で、赤十字救急法短期講習が開催されました。
講師を務めたのは巡視艇ひめかぜの船長の川﨑指導員、受講生は巡視艇ひめかぜに所属する海上保安官です。

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 川﨑さんは、これまで赤十字が主催する数々の講習会でも指導員を務めてきた方です。海上保安官として役に立つ知識を得たい、と当時住んでいた千葉県で赤十字の救急法講習を受け、その内容が充実していたことから、より多くの方に広めたいと思い、日赤千葉県支部へ指導員になりたいと申し出たそうです。
 指導員資格を取得してからは、職場の異動で赴任した京都府で日赤京都府支部が主催する講習会で指導員として活躍してきました。この春から三河海上保安署に異動され、愛知県支部のボランティア指導員としてご協力いただいています。

 海上保安庁には海難救助を専門とする船艇や要員もいますが、川﨑指導員が船長を務める巡視艇の仕事は、それ以外にも海上警備から環境保全まで多岐にわたります。しかし、いざという時には一丸となって捜索・救助活動を行うことになります。そのため、海難救助を専門とする船艇でなくてもしっかり対応できるように知識や技能を身につけてほしい、との思いから、自らの指導員資格を活かし、赤十字の救急法講習の中から実践的な内容を選び海上保安署内で講習を開催することにしたそうです。

 今回は三角巾を使って止血する方法やそえ木(副子)を使って骨折などの部位固定する方法といったケガの手当てを中心とした内容の救急法短期講習が行われました。

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 説明の際には、指導員としてだけでなく海上保安官としてのこれまで経験をもとに、実際に起きた事例や船の上で起こり得る場面を交えて紹介するなど、講習の内容がどう役に立つのか普段の業務と結び付けられるように工夫されていました。

 実技は同僚同士ということもあり和気あいあいとした雰囲気ながら、大事なところはもちろんのこと細かな点までしっかりチェックし、正しい知識を身につけられるよう行われました。なお、包帯法や固定法の実技は、コロナ禍の影響で一般の方を対象とした対面講習では写真のように実施することが難しい状況ですが、職務上の必要性や普段から行動を共にしている同じ船艇の乗組員同士の講習であることに鑑み感染対策を徹底のうえ実施しています。

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 過去に海難救助を専門とする船艇に所属していたことがあり既に救急法の心得のある方から、赤十字の救急法を初めて学ぶという方まで受講生のレベルは様々でしたが、同じ船に乗る受講生同士わからないところを教え合ったり、より質の高い手当てになるよう自発的にアドバイスし合うなど、海の安全を守るプロの姿がありました。