• illust: naohiga
  • text: Moe Tokai
  • 関東大震災から100年。
    いまこそ備えよう。
    〈日本赤十字社〉が監修!
    防災2択クイズ。

    災害、紛争、病気など、苦しむ人を救うため、あらゆる支援をしている〈日本赤十字社〉。2023年は関東大震災から100年。防災事業も行う〈日本赤十字社〉と一緒に、自分の身を守るための正しい知識を身につけよう。

    防災について意識を高めるきっかけに

    地震や大雨などの自然災害が多い昨今、頭の中では備えなきゃと思いつつ、忙しくて後回しにしているという人は多いはず。今回は、そんな人に向けた、防災に関するクイズを6問用意しました! いきなり身の回りの全てを変えなくても、生活の一部を変えるだけで“備え”に。日本赤十字社で防災事業に携わる土肥幹治さんの解説とともにお届けします。

    防災2択クイズ〈家の中のこと〉

    Q.一人暮らしの自宅。ベッドを置くならどっちの場所がより安全?

    a.棚の横
    b.エアコンの真下

    正解は…「b」

    頭の上に落下物がないことは大前提。とはいえ、コンパクトな一人暮らしなどでは、何もないスペースで寝ることが難しいケースも。「専門の業者によって取り付けられたエアコンは、かなりがっちりと設置されており、たくさんの配管が室外機と繋がっているため落下しづらい。どうしても“〜の横や下”を避けられないなら、エアコンの下を選びましょう。また、『家具は必ず固定しなければ』と思ってしまいがちですが、置き場所、置く向きを変えることで防げることもたくさんあります。例えば膝くらいの高さの棚であれば、ベッドと並行に配置すれば倒れても下敷きになる確率はぐっと減ります。出入り口付近に棚を置くなら、ドアの真横に壁に沿わせて配置すれば、倒れてもドアの開閉を妨げません。まずは家具の安全な配置場所を考えてみましょう」(土肥さん)。

    Q.電化製品で、まず固定しておきたいのは?

    a.テレビ
    b.冷蔵庫

    正解は…「a」

    冷蔵庫の前に長時間いる可能性は低いが、長い間テレビの前にいる可能性は高い。“自分の身の回りの安全”という意味ではまずテレビの固定を。「とはいえ、冷蔵庫も中身が飛び出す危険性が。ワインの瓶などの重いものが飛び出してきたら、凶器になります。おすすめは、市販のチャイルドロックやバンドなど、扉の固定グッズを取り入れること。中身が飛び出さない確証はありませんが、あるとないとでは大違いです」(土肥さん)。

    防災2択クイズ〈備えのこと〉

    Q.防災バッグを置くならどちらがいい?

    a.玄関など目につく場所
    b.クローゼットの中など安全な場所

    正解は…「a」

    いざというときに持っていくことを考えると、目につく場所が正解。ただし、年に一度、できれば季節の変わりめなどに、定期的な中身の見直しは必須です。「そもそもなぜ必要なのかピンときていない、という人も多いと思います。防災バッグは、一時的に避難所で過ごすために必要なものを入れておくものなので、“避難所に持ち出す”ことを意識して中身を厳選しましょう。そして、意外と大切なのがバッグの選び方。たくさん入るからと大きなバッグを選びがちですが、大きすぎて&重くて背負えない…となったら本末転倒。自分が背負って移動できるサイズを選びましょう」(土肥さん)。

    Q.非常用トイレ、ひとりにつき何回分を用意しておくといい?

    a.10回分
    b.30回分

    正解は…「b」

    災害の規模によっては、自治体による仮設トイレの設置まで3日~1週間以上を要することが考えられるため、1日4回想定×7日分=28回、つまり30回分ほどは用意しておきたい計算に。「1日5~7回は行くかもしれませんし、自分が1日にトイレに行く回数×1週間分を最低用意すると考えましょう。人間にとってトイレは我慢できないものであり、個人の尊厳にかかわることでもあります。備蓄の際は、飲食と排泄はセットで考えましょう。携帯トイレがあれば、少しでも清潔に排泄ができ、感染対策にもなります。その際、購入して満足してしまうのではなく、どのような形で入っているのか、一度開封して確認してみましょう」(土肥さん)。

    防災2択クイズ〈地震発生時のこと〉

    Q.自宅で地震発生。ちょっと離れたキッチンではお湯を沸かしていて…。

    a.とりあえず火を止めに行く
    b.揺れがおさまるまでキッチンに近づかない

    正解は…「b」

    火事がこわくて火を止めに行きたいと思ってしまいがちですが、まずは揺れがおさまるまで危ないところには近づかず、安全なスペースにいること。「最近のコンロは安全装置が作動し、自動で火が消える仕組みの物も多いため、無理に移動しないこと。また、災害時はとにかく頭を守りましょう。近年はYouTubeなど様々なサイトで地震発生時の疑似体験映像が観られるため、実際に地震を経験したことがない方は確認しておくとイメージしやすいです」(土肥さん)。

    Q.トイレに入っているときに地震!まずすべき行動は?

    a.ドアを開ける
    b.ドアを閉める

    正解は…「a」

    ドアを閉めてしまうと結果的に閉じ込められてしまい、避難できない、助けが呼べないというケースが起きます。トイレに限らず、ドアがある部屋にいる場合は、出口確保のために開けること。「結局、トイレは災害時に使えなくなります。より安全な場所へ移動することを考えるなら、ドアを開けるのがベスト。その際、トイレットペーパーや洗剤などの備蓄が落下してくる恐れがあるため、頭を守ることも忘れずに」(土肥さん)。

    お話を伺った方:土肥幹治

    日本赤十字社 事業局 救護・福祉部 防災業務課

    〈監修〉
    どひ・みきはる/2008年、日本赤十字社入社。長崎原爆諫早病院、救護・福祉部 福祉課などでの勤務を経て2021年より現職。各都道府県支部が実施する「赤十字防災セミナー」を担当する。

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