宮城県の語り部がオンラインで東日本大震災を語る~橘小学校~

2月10日に青少年赤十字加盟校である阿南市立橘小学校の3年生10名が「JRCオンライン語り部LIVE」に参加し,防災学習を行いました。

この「語り部LIVE」は,日本赤十字社 宮城県支部が東日本大震災から10年を機に,震災の風化を防ぐために行っている復興支援事業の1つで,全国各地の学校とオンラインでつなぎ,実際に震災を体験した方々が当時の恐怖や教訓を生の声で語り掛け,今後の防災につなげていくものです。

当日は,全国の14小学校から1,959名が同時に聴講し,震災で当時6歳だった長女 愛梨ちゃんを亡くした佐藤 美香さんが「『いってきます』と『ただいま』は魔法の言葉」と題して講演。

愛梨ちゃんが高台にある幼稚園から海側へ向かう送迎バスに乗って津波と火災に巻き込まれ亡くなったことや残された家族の思いなどを紹介。「『いってきます』と登園した娘の『ただいま』が未だに聞けずにいる。そんな思いをする人が今後いないように,自分の命や周りの人の命を守れるように震災時の行動を考えて欲しい。」と語る佐藤さんの声に児童は真剣にメモを取りながら,耳を傾けていました。

講演を聴いた児童は「家に帰ったら『ただいま』と大きな声で言いたい。そして,家族とも話し合って災害時に避難する場所を決めたい。」などと感想を発表し,講演で学んだことを早速,実行に移そうとする児童の姿が見られました。

担任の山本先生は「この橘小学校も過去に津波の被害に遭ったことがある。この語り部LIVEのように,児童たちが実際の出来事を映像で見たり,被災された方の体験談を聞いたりして学習することで,過去に起きた災害から,いかに自分の命を守るかを考え,自分たちの未来につないで欲しい。」と子どもたちへの思いを語りました。

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佐藤さんに感想を伝える橘小学校の児童