地域の水害を自分ごとに~嵐山小学校1年生が風水害から命を守る行動を考えました~
10月23日(金)、京都市立嵐山小学校で、京都市教育委員会「青少年赤十字教育研究会」の授業研究会が行われました。授業を担当したのは、同校の教諭で青少年赤十字指導者でもある三島歩教諭。風水害は小学1年生にはイメージしにくい題材ですが、嵐山は平成25年に桂川が増水・氾濫し、浸水被害を受けた地域です。そこで、地域に暮らす子どもたちが、防災教材「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」を使い、風水害から命を守る行動を考えました。
(地域の災害を題材に)
児童は事前に同じ教材で地震災害を学び、今回は風水害へ学びを広げました。平成25年(2013年)9月の台風18号で桂川が増水し、渡月橋周辺が浸水した際の写真や映像も使用。地域で実際に起きた災害を知り、「自分たちのまちでも起こること」として考える授業です。
(自分で気づき、考え、伝える)
グループで「普段のまち」と「風水害が起きたまち」を見比べ、危険な場所や行動、そこにいる人への声かけを話し合いました。上流で川があふれ始めているのに下流で魚釣りをする友達には、「川があふれるから、魚釣りをやめて高いところへ逃げて」との意見が出ました。
さらに、「高いところならどこでも安全」ではなく、山の近くでは土砂崩れの危険があることにも気づきました。同じ高い場所でも安全かを確かめ、学校など適切な避難先を選ぶ必要があると考えました。
(浸水の高さを知る)
三島教諭は、学校にあるお地蔵さんを示し、「この辺りまで水が来たんだよ」と当時の浸水の高さを紹介しました。大人の肩ほどの高さで、児童は自分の背丈と比べ、水の深さと流れの怖さを実感しました。
また、嵐山小学校が台風や大雨時の避難所にはなっていないことや、過去の災害時に地域の中学生がまちの清掃を手伝ったことも紹介。まず自分の命を守り、安全確保後に地域のために何ができるかを考えました。
(教職員の振り返り)
教職員からは「1年生にも風水害を自分ごととして考えられる授業だった」「地域の写真や映像が気づきを引き出した」との意見がありました。避難が遅れた場合の垂直避難など、状況に応じた行動へ学びを広げる必要性も話し合われました。
(まとめ)
青少年赤十字が大切にするのは、子ども自身が危険に「気づき」、行動を「考え」、命を守るために「実行する」力です。地域の災害の記憶を次世代へ伝え、自分と周りの人の命を守る行動を考える機会となりました。京都府支部は今後も同研究会と連携し、地域の実情に根ざした防災教育を広げていきます。