子どもたちが自分の命を守る力を学ぶ~水の事故を防ぐために~

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 7月10日に宇治市立御蔵山小学校、7月17日に京都市立桃山東小学校で、小学6年生の児童を対象に水上安全法短期講習を実施しました。夏休みを前に、海や川、プールなど水辺で楽しい思い出をたくさんつくってほしい一方で、水の事故によって悲しい思いをすることがないよう、「泳ぎ方」だけではなく、「自らの命を守る方法」を学ぶことを目的とした講習です。

 近年、学校でのプール授業や水に親しむ機会が以前より少なくなっているとも言われています。しかし、暑い季節になると全国各地で水の事故が発生しています。京都府内にも海や川があり、隣接する滋賀県には琵琶湖もあります。子どもたちにとって水辺は楽しい場所であると同時に、正しい知識がなければ危険な場所にもなります。だからこそ、実際に体を動かしながら「もしも」の時の行動を身につけることが大切です。

 講習では、まず「溺れる」とはどういう状態なのかを学びました。水に溺れている人というと、水面で手を振り、大声で助けを求める姿を想像しがちですが、実際には声を出せず、短時間で水没してしまうことが少なくありません。沈んでしまった人を見つけることはとても難しいため、何より大切なのは、溺れる人を出さないことです。水辺では一人で行動せず、友だち同士でお互いの様子を確認し合うことが事故防止につながります。

 次に、泳げなくなった時の対応として「ボビング」を体験しました。水面で無理に泳ぎ続けるのではなく、水底を両足で蹴って浮上し、顔を出した瞬間に息を吸い、再び水底に沈んで蹴る動作を繰り返しながら、近くの浅い場所を目指す方法です。泳ぐ力を使い切ってしまう前に、落ち着いて命をつなぐ行動に切り替えることを学びました。

 また、泳ごうとして体力を失う前に、仰向けになって「浮いて待つ」ことも練習しました。口と鼻が水面に出て呼吸できれば、救助を待つ時間をつくることができます。川や海で流された場合も、無理に流れに逆らうのではなく、足を流される方向に向け、浮いた姿勢で安全な場所を目指したり、救助を待ったりすることが大切です。服や靴は慌てて脱がず、靴や衣服の浮力、保温効果、けがの防止効果を活用することも伝えました。

 ペットボトルなど身近な物を使って浮く方法も体験しました。空のペットボトルやクーラーボックスなど、浮力のある物は命を守る道具になります。一方で、溺れている人を見つけた時に、泳いで助けに行くことは大きな危険を伴います。まずは大声で助けを呼び、浮く物を投げる、棒やロープを差し出すなど、自分自身の安全を確保しながら、水に入らずに助ける方法を考えることが重要です。二次事故を起こさないことも、救助の大切な原則です。

 さらに、エレメンタリーバックストローク、いわゆる「イカ泳ぎ」にも挑戦しました。ただ浮いて待つことが難しい場合には、仰向けの姿勢でゆっくり手足を広げて閉じる動きを繰り返すことで、呼吸を確保しながら少しずつ移動することができます。川や海では水面が動き、口や鼻に水が入りやすくなるため、落ち着いて浮きながら移動する技術を知っておくことは大きな助けになります。

 最後に、「人間洗濯機」の体験を通じて、水の流れの強さを学びました。全員で同じ方向に歩いてプールに流れをつくり、その後、反対方向に進もうとすると、水の勢いに押されて思うように前へ進めません。川や海で流された時に、流れに逆らって元の場所へ戻ることがいかに難しいかを体感し、無理に逆らわず、浮いて流されながら近づきやすい場所を目指すことの大切さを学びました。

 子どもたちにとって、夏の水辺での経験は大切な思い出になります。その思い出が楽しいものとして残るように、赤十字では、泳ぎの上手・下手にかかわらず、誰もが自分の命を守るための知識と行動を身につけることを大切にしています。日本赤十字社京都府支部では、今後も学校や地域と連携し、水の事故を防ぐための水上安全法講習を通じて、子どもたちの命を守る意識を育んでまいります。