バイスタンダーの心的ストレスと、学校現場での応急手当を考える~救急法指導員研修~
学校現場を想定し、応急手当の伝えかたや配慮について検討する救急法指導員
日本赤十字社京都府支部では、令和7年度赤十字救急法指導員研修会を開催しました。
救急法を「お伝えする立場」である指導員が集まり、これからの講習に求められる視点や、現場での対応力を高めるための学びを深めました。
今年度の研修では、応急手当を行った後に生じる「バイスタンダーの心的ストレス」への理解と、学校現場、特に指導員を派遣することの多い中学校の教職員や、生徒を対象とした講習のあり方について重点的に取り上げました。
~応急手当のあとに起こり得る心の負担について~
応急手当は人の命を救う大切な行動ですが、その一方で、手当を行った人(バイスタンダー)が、後になって強い不安や葛藤、精神的な負担を感じることがあります。
研修では、実際に赤十字救急法講習を受講し、現場で応急手当を行った経験のある方の事例をもとに、応急手当後に生じやすい気持ちや心の揺れについて学びました。
あわせて、救急法講習の中でこの心的ストレスについてどのように伝えていくか、また、もし受講者の中に同様の経験を持つ方がいた場合に、指導員としてどのように寄り添い、フォローしていくべきかについて、意見交換を行いました。
研修の後半では、実際の講習場面を想定し、ロールプレイ(役割演習)を行いながら、声かけや対応の仕方をシミュレーションしました。
指導員同士で検証を重ねることで、受講者の心にも配慮した講習づくりの重要性を改めて確認しました。
学校現場での応急手当を支えるために
もう一つの大きなテーマは、学校現場における救急対応です。
特に今回は、中学校を中心に、教職員の皆さんが日常の中で直面し得る、生徒のけがや急な体調不良への対応について、救急法指導員の観点から検証を行いました。
研修では、学校現場で活用されているHANAモデルを取り上げ、学校の先生方への救急法の普及だけでなく、迅速な対応のためには生徒への普及も重要であることを共有しました。
実際にHANAモデルを用いて現場で訓練されている先生方の動画を検証し、その取り組みは非常に熱心で、指導員からも高く評価されました。
さらに、赤十字救急法の知識や技術などをどのようにHANAモデルに落とし込むか、HANAモデルをより良くするための講習につながるかについても検討しました。
今後に向けて
今回の研修を通じて、救急法講習は技術を伝えるだけでなく、人の心に寄り添い、安心して応急手当をすることが出来る力を育てること、また学校や地域の現場に合った形でお伝えすることが重要であることを共有しました。
日赤京都府支部では、バイスタンダーの心的ストレスを踏まえた救急法講習や、中学校・教職員を対象とした講習会について、今後も検討と充実を進めていきます。
学校や各種団体等での講習実施や内容についてのご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。 赤十字救急法指導員が、現場のニーズに応じた講習で全力サポートします。