ラオス赤十字高校生メンバーを京都で受け入れ ~国境を越えた友情と学び~
令和7年10月25日から30日まで、日本赤十字社京都府支部はラオス赤十字社の青少年赤十字(JRC)高校生メンバー2名(キティ・ベイビー)を受け入れ、京都のJRC高校生メンバーらとの交流を行いました。
この事業は、「国際理解・国際親善」を通じて、国や文化の違いがあっても、対立するのではなく、お互いに助け合える社会を築くことを目指す青少年赤十字の重要な活動の一つです。国境を越えた友情と理解を深めることで、お互いを尊重する未来への一歩を踏み出します。
■交流プログラムの様子
10月25日(土)
京都府立嵯峨野高校JRC部を訪問。
学校紹介やカードゲームなどで打ち解け、昼食は高校生らしくコンビニで買い物を楽しみました。
嵯峨野高校のメンバーが心を込めて準備してくれた交流は、笑顔にあふれた時間となりました。
学内見学では岩石研究室?やユニークな授業に驚きの連続。割り箸で橋脚を組み立てるコンテスト授業も発見!昼食はコンビニで買ったお菓子を囲みながら、日本とラオスの”お菓子事情”トークで盛り上がりました。
10月26日(日)
京都のJRC高校生メンバー協議会(華頂女子高等学校、京都府立北嵯峨高等学校、京都府立嵯峨野高等学校、京都聖母学院中学校・高等学校、京都府立鳥羽高等学校、京都府立西乙訓高等学校、京都府立山城高等学校)が企画したウェルカムパーティーを開催。折り紙、英語のフルーツバスケット、すごろく、かるたなど、日本文化と遊びを交えた楽しい交流が続きました。午後は二条城を散策し、日本の歴史にも触れました。RCY(赤十字京都ユース)メンバーも自身の経験を活かして、盛り上げ役として奮闘してくれました。
JRC高校生メンバー協議会が企画したウェルカムパーティーで記念撮影!準備から運営まで高校生が主体となって工夫を凝らし、笑顔とアイデアにあふれた、国境を越えた楽しい交流のひととき。
10月27日(月)
献血ルーム四条を見学。職員が実際に献血する様子を見学しながら、日本の血液事業について学びました。ハロウィーンの仮装(落ち武者さん)をした献血者との記念撮影も思い出に。続いて京都第一赤十字病院を訪問し、看護学生や若手スタッフと交流。緩和ケア病棟や国際救援活動にも関心を示しました。
楽しい雰囲気の中での献血の大切さを実感。ジュースやアイスクリームのサービスもあり、日本の献血文化に触れる貴重な体験となりました。
10月28日(火)
京都市立桃山東小学校を訪問。給食や掃除を一緒に体験し、授業「自然災害から暮らしを守る」を見学。交流会では日本とラオスの紹介やゲーム、ダンスで盛り上がり、ラオスの縄跳び遊びでは小学生の元気な応援に笑顔が広がりました。
給食や掃除を一緒に体験!ラオスでも掃除は日常とのこと。ベイビーの学校ではギターの授業があるとも教えてくれました。
ラオスの縄跳び遊びに小学生たちが大盛り上がり!『やりたい!やりたい!』の声が止まらず、全員がチャレンジできなかったので、縄跳びを学校へプレゼントしてくれました。
10月29日(水)
京都府立山城高等学校で行われた台湾の高校生との合同交流会に参加。クイズや文化紹介を通じて多文化交流を楽しみました。昼食は学食でどんぶりを堪能。午後は下鴨幼稚園で幼児安全法の講習を見学し、一次救命処置の実技体験では、お母さんや保育士さんと一緒に言葉の壁を越えてトレーニングをしました。
クイズや文化紹介に加え、紙で作った食べ物やお金で“市場で買い物”体験を通じて、楽しく学びながら異文化交流を深めました。
10月30日(木)
京都でのプログラムを終え、東京で開催される「JRC・RCYインターナショナルミーティングTOKYO2025」へ出発。
ホームステイ先の嵯峨野高校JRCメンバーのホストファミリーと温かい別れを交わしました。
■今回の交流の意義
この事業は、国境を越えて互いを尊重し理解し合うことで、将来の紛争や対立をなくし、助け合える社会を築くという青少年赤十字の理念を体現するものです。
今回の取り組みはその理念を体験することの出来る貴重な場となりました。
各県でのホームステイやJRCメンバーとの交流を終え、続いて日本赤十字社主催「JRC/RCY International Meeting TOKYO2025」 が、
国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)にて 10月30日~11月3日の日程で開催されました。
この会議には、アジア各国赤十字・赤新月社約30カ国のJRCメンバー代表と、日本全国のJRCメンバー代表が参加し、紛争や災害などの課題に対して「どうすれば互いに助け合えるか」をテーマに、グループワークやディスカッションを通じて理解を深めました。
京都からは 嵯峨野高校のJRCメンバーが参加し、国際交流をさらに広げる貴重な体験をしました。
また、嵯峨野高校の中井先生は指導者として準備・運営に参画し、プログラムの成功に大きく貢献されました。
中井先生のコメント
「各国から集まってくれたJRCメンバーも、日本のメンバーも一生忘れることのない時間を過ごせたと思います。世界では分断や保護主義が進んでいるように感じますが、赤十字の理念は宗教や国境を越えて、人と人が理解し合い、助け合うことにあります。今年のプログラムは例年以上に素晴らしく、その理念を強く実感できる場でした。改めてこの活動の意義を深く感じました。」