令和5年度救護班総合訓練を実施しました

 9月29日(金)令和5年度救護班総合訓練を実施しました。
 本訓練は、救護班基礎訓練、応用訓練を修了した救護員を対象に、救護班の出動から帰還までを、付与される災害想定のもと、実際に活動する実動訓練です。
 今年度は、水縄活断層を震源とする震度6強の地震が発生し、久留米地方で多数の人的・物的被害が発生、近隣の医療機関は受け入れが困難であるため、広域搬送のために応急救護所を設置し、対応するという想定で実施しました。

 応急救護所の設置前に、より効果的な災害救護活動を実施するため、傷病の程度に応じた救護所レイアウトの検討やどのような体制、配置、役割で行うべきか等チームビルディングを行いました。

23092901.jpeg演習前のチームビルディング

 チームビルディング後は、応急処置の優先度を決めるトリアージ(T:Triage)、限られた医療資材で傷病者の状態の安定化を図るトリートメント(T:Treatment)、安定化後の迅速な搬送(T:Transport)の訓練を実施しました。

23092902.jpeg       トリアージ(赤)患者の対応 23092903.jpeg            トリアージを行う看護師

 また、総合演習では、傷病者役として日本赤十字社福岡県支部防災ボランティア会や筑後地区・北九州地区安全普及会、無線奉仕団の方々にご協力いただきました。ボランティアの方々の迫真の演技を前に、救護員も実災害をよりリアルにイメージしながら、迅速かつ丁寧な医療救護活動を実施していました。
 参加した救護員からは、「実際の災害現場では、常に情報がアップデートされ臨機応変で的確な対応が求められるのだと再認識しました。演習が実践に即していたためとても緊張感がありました。」との声がありました。

23092904.JPG緑エリアで診療を受ける傷病者

 総合演習終了後には、福岡県筑紫保健福祉環境事務所 健康増進課長 北林 恭子 様をお招きし、「災害時の保健師の活動について」ご講演いただきました。
 災害時、避難所の保健・医療・福祉を担う保健師の方の活動内容を知ることにより、我々救護班も、効果的な避難所支援を行うことが可能になることから、非常に良い機会だったと思います。
 参加者からは「保健師さんの災害対応を詳細に伺える良い機会でした。保健師さんの活動は多岐にわたるため、少しでも負担を軽減できるよう日赤救護班として研鑚に努めたいと思います。」との感想がありました。

 今後発生が懸念される南海トラフ地震などの大規模災害へ向けて、より効果的かつ効率的な救護活動が行えるよう災害対応能力の向上に努めてまいります。

23092905.jpeg福岡県筑紫保健福祉環境事務所
健康増進課長 北林様による講演