倒壊した家屋近くに並べられたアルバムや本 ©トルコ赤新月社

  • 文:田代わこ

誰かによりそうことが自分を育てる。トルコ、ウクライナの今と、私たちが知りたいこと、できること。【後編】

身の回りに、世界中に、助けを求めている人がいるのはわかっていても、行動に移せない人がほとんどではないでしょうか。社会貢献したいのに、一歩が踏み出せない。でも、ちょっとひっかかっている。気になっているトルコ・シリアのこと、ウクライナのこと…まずは知ることで、少しモヤモヤを晴らすことができるかも。現場に行った日本赤十字社の方にお話をうかがいました。

私たちが知りたいこと、できること

いろいろと忙しい毎日、世の中のニュースは気になりつつも、スルーしてきた人も多いはず。でも、見て見ぬふりをすると、なにかモヤモヤが残ります。本当は何かしたい。誰かを助けたい。社会の役に立つことで自分を成長させたい。だけど、日々の生活で手一杯だから無理だよね、とあきらめていたみなさん、今の私たちにできることを探してみませんか?
まずは、社会を見つめ、国内外で起きていることを知るのが第一歩。今、気になるトピックスについて、最前線で活動する日本赤十字社の方にお聞きしました!

今私たちが気になること その3:災害への備え

救護班要員研修の様子 ©日本赤十字社

続いて、日本赤十字社 救護・福祉部のワタナベさんと、ドヒさんに災害への備えについて教えていただきました。

――普段、災害に備えて日本赤十字社ではどんな活動をされていますか?

ワタナベさん 大きく3つあり、1つ目が救護班要員等の研修・訓練です。災害発生時に救護活動が迅速に実施できるよう、医師や看護師などの医療職や事務職を対象に養成をしています。
2つ目は、被災者へ配布するための毛布などの救援物資の備蓄及び救護資機材の整備。3つ目は、災害発生時に連携した救護活動が実施できるよう行政や企業、NGOなどとの関係の構築に取り組んでいます。

――救援物資を備蓄する倉庫もあるそうですが、どんなものが備蓄されていますか? 

ワタナベさん 毛布のほかにマット、アイマスク、枕などが入った安眠セットや、歯ブラシ、スリッパ、懐中電灯などの入った緊急セットを全社的な救援物資として本社や各都道府県支部の救護倉庫に備蓄しています。この他に、下着セットやブルーシートなども各都道府県支部の判断で備蓄しています。

――常に災害の危険性がある国と言われている日本ですが、「災害への備え」として、個人が日頃からしておくべきことは何ですか?

ドヒさん 「自助」と「共助」を高めることが大切です。
自助で一番簡単にイメージしやすいことは、備蓄ではないでしょうか。生理用品のように必要なものは自分で備えるのが重要です。
避難所では感染対策も必要なので、消毒剤やマスクも備えておくと安心です。非常用持ち出し袋は、いつも見える場所に置きましょう。
また、寝ているとき地震にあう可能性も考えた家の安全対策をしましょう。「ベッドのそばに倒れるタンスがないか」のように具体的な危険をイメージすれば、対策しやすいですね。

非常持ち出し品の準備リスト ©日本赤十字社

――「共助」はどうすればよいですか? 例えば、一人暮らしの若い女性は、地域の人と接点を持ちづらいと思います。

ドヒさん 例を挙げますと、避難した住民同士が協力して炊き出しをしたことがあります。この取り組みのきっかけは、今の皆さんと同じように「できることを探す」というような自発的な気持ちではないでしょうか。ただ、いきなり災害時に地域で助け合うのは難しいので、日ごろのコミュニケーションが必要です。まずは、隣にどんな人が住んでいるのか、お互いを知ることから始めてはいかがでしょうか。

今私たちが気になること その4:ボランティア活動

熊本県支部所属ボランティアによる防災教育の様子(青年赤十字奉仕団、地域赤十字奉仕団)©日本赤十字社

最後に、日本赤十字社 パートナーシップ推進部のイシグロさんに、ボランティア活動についてお聞きしました。

――日本赤十字社のボランティア活動について、教えていただけますか。

イシグロさん 国内では約114万人が登録し、奉仕団(グループ)や個人で活動しています。anan読者と同世代の方たちが多く活動しているのは、青年赤十字奉仕団や特殊赤十字奉仕団、また個人ボランティアの方々ですね。

――具体的に、どんな活動をされていますか?

イシグロさん 例えば、特殊赤十字奉仕団は、英語や写真撮影、救急法等の技術や知識を生かして活動していて、年代は様々です。
赤十字ボランティアは皆さん、研修を受けた後、周囲のお困りごとに対して活動したり、血液事業や救急法講習等の赤十字の事業にちなんだ活動をするなど様々な活動を行っています。例えば、先ほどの「災害への備え」であれば、日常における地域の防災訓練での炊き出しや子どもに対する防災教育、災害時であれば避難所運営支援や泥かき、ボランティア支援等の活動をしています。
様々な活動がありますが、どれも赤十字の理念に沿った活動です。

世界の赤十字社との国際交流の際は、赤十字語学奉仕団が活躍している ©日本赤十字社

――ボランティアに興味があっても、忙しくて時間をとれない人がいると思います。スキマ時間に活動することもできますか?

イシグロさん もちろんです。anan読者世代の奉仕団員のなかには、子育てや仕事で忙しい方もいます。そんな方は、各都道府県にある日赤の支部や奉仕団の仲間と相談し、無理のない活動を続けています。仕事や家事のスキマ時間にできるからこそ、継続できてやりがいや生きがいにつながると思います。

――赤十字社のボランティア活動は、出会いがあったり仲間ができたりしますか?

イシグロさん ボランティアは、職場でも家庭でもないところで同じ興味関心をもった仲間と一緒に楽しく活動するのが醍醐味。どの活動に参加しても、きっと自分の考え方にフィットした仲間が得られると思います。
また、ボーダレスな活動もできます。赤十字は世界各地にあり、イベントも企画しているので、世界の赤十字ボランティアとつながる機会もありますし、大きな災害や紛争などに対して、海外救援金の協力を呼び掛ける等、日本国内にいながら海外を支援する活動にも参加できます。

――ボランティアに参加したい場合、どうすればよいですか?

イシグロさん お住いの都道府県にある支部にご連絡いただければ、担当者が相談にのります。また、一部の奉仕団ではSNSでもコンタクトがとれます。ぜひ、anan読者のみなさまに、参加していただきたいです。

誰かのために動いて自分も幸せに!

慌ただしい毎日でも、ちょっと社会を見つめてアクションすることはできるはず。誰かのために動くと、自分の心も満たされ、ハッピーな気分になれます。私たちが今できること、探してみませんか。

【前編】はこちら
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