いのちをつないだ瞬間の記録。
救った人、救われた人の言葉で、
その日をたどります。
当日は、お祭り会場を設営していたそうですね。
小野さん
町会役員として、公園で会場を設営していました。
山口さん
私は町会の防災部の副部長を務めており、当日は午前9時頃から設営作業を行うことになっていました。
小野さん
9時半頃、会場に停めてあるトラック付近の慌ただしい様子に気付いて駆け寄ったところ、山口さんが運転席と助手席に横たわるように寝かされていました。
山口さん
当日体調が悪かったなどの前兆もまったくなく、倒れたのは本当に突然のことだったんです。
小野さん
まず反応の確認を行ったところ、声を掛けても反応はなく、口は開き、眼球は濁り、脈もないという心肺停止の状況でした。すぐに胸骨圧迫を開始し、「AEDを持ってきてください」と周囲の人に言いました。本来は倒れた時点で救急車を呼ぶべきだったと思いますが、周囲はまだ「呼ぼうかどうか」と迷っていたので、すぐに119番をお願いしました。
小野さんは、講習で胸骨圧迫やAEDの指導をしていますが、実際の救助はどうでしたか。
小野さん
車の座席という狭い空間でしたが、圧迫部位に両手をきちっと入れて胸骨圧迫できました。何十年も教えてきた甲斐があり、これまで培ったスキルを全て出せたと思います。AED到着後に1回目の電気ショックを加え、その後も胸骨圧迫を続けながら、再度電気ショックを行っていると救急隊が到着しました。途中で地域の消防団の男性が交代を申し出てくれたのですが、狭い車内での中断時間が心配で、救急隊到着まで一人で胸骨圧迫を続けました。後から聞くと、搬送中と合わせてAEDの電気ショック
は11回、心肺蘇生は20分以上にわたったそうです。
山口さんは、病院に搬送された後、どのくらいで意識を取り戻されたのでしょうか。
山口さん
1週間後です。意識が戻ってから10日ほどで一般病棟に移り、ペースメーカーを埋め
込む手術をして、倒れた日から約1カ月後に退院しました。
小野さん
搬送後もずっと山口さんのことが気がかりだったので、人づてに退院されたことを聞き、ほっとしました。その後、山口さんの「命をつなげてくださった皆さんに、心より感謝します」というメールが転送されてきたときには感激しました。
山口さん
実は、家族は搬送時に「重篤な後遺症が残る可能性が高いことを覚悟するように」と言われたそうなんです。それが後遺症もなく社会復帰できたということで、医師も「初動の胸骨圧迫が効果的だったのだろう」とのことでした。
小野さん
心肺停止から一次救命処置までの時間が経つほどに、救命率は低くなります。医師が
30分は心肺停止していたと話していたので、山口さんの回復は奇跡的だと思います。
山口さん
倒れたときに、小野さんのような救急法の知識のある赤十字の方がいてくださり、さらに迅速にAEDを持ってきてくださった方や消防団の方もいて、皆さんのおかげで助かりました。周りからも「お前はいい所で倒れたんだよ」と言われますが、皆さんの存在がまさに不幸中の幸いだったのだと感じています。
小野さん
山口さんの言葉を聞いて、これまでボランティア活動を続けてきて良かったと思いました。また、こうして山口さんとお話できたことも良かった。私は講習指導時に受講者に「救助に携わると心的ストレスを抱えるものですが、その時の手当は正しかったと自分に言い聞かせてください」と伝えるようにしています。それでも、いざ自分が救助者になってみると不安や迷いなどショックを受けた面もあったので、今日お話しできて元気になりました。今後の講習では、救助者に寄り添う視点も大切にしていきたいと思います。
東京都支部ボランティア
赤十字救急法指導員
赤十字幼児安全法指導員
赤十字健康生活支援講習指導員
日本赤十字社の救急法講習で
心肺蘇生を習得していた小野さんは、
緊急事態に直面した際、
迷わず処置を実施しました。
その迅速な行動が功を奏し、
山口さんの尊い命を
救い出すことにつながりました。
いのちを守る
救急法講習
日本赤十字社の気になる
情報をチェック!
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— 日本赤十字社 (@JRCS_PR) September 9, 2025
大切な人が突然倒れたら…
あなたは、適切な対応ができますか?
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今日は #救急の日 ❤
もしもの時に対応ができるよう、
「いのちを救う方法」について
考えませんか?
いざという時に大切な人の「いのち」を
救うため、動画で「心肺蘇生」について
確認しましょう✏ pic.twitter.com/MHg1PInE3s
