高校生が避難所生活での人権を学ぶ

 災害時の避難所生活を通して人権について学ぶとともに、学校が避難所になった時に高校生が支援できることを考える学習会が、66日、名西高等学校で開催され、3年生86名が参加しました。

 この学習は、「誰一人取り残さない多様性を尊重した社会を目指して」というテーマで、本年3月に開催された青少年赤十字スタディ・プログラム(日本赤十字社主催)に本県代表で参加したJRC部の生徒が中心となり、生徒たち自身が企画・運営したものです。

 はじめに、「学校が避難所となった場合、避難者は何人受入可能か」や「緊急時に尊い命を守るAEDは学校のどこにあるか」などについて、クイズ形式で確認。その後、避難所ではどのような困りごとや人権問題が発生するか、私たち高校生に何ができるかについて班ごとに話し合いました。

 その後、日本赤十字社徳島県支部の救護員が「災害と人権」について講演。これまでの災害現場で、救護員が目の当たりにした避難所の実際を通して、避難生活の問題点や注意点などについて説明。避難所はプライバシーの確保が難しいうえ、集団生活となるため、様々な人権問題や健康問題が発生し、環境が厳しい避難生活が原因で災害関連死につながる場合があることなどを説明すると、真剣な表情でメモを取る生徒の姿が見られました。

 また、スタディ・プログラムに、同じく本県代表として参加した富岡西高等学校の生徒から学んだ取り組みである、学校が避難所となった場合に高校生が避難者に支援できることをゼッケンに記載した「できますゼッケン」の紹介もありました。このように、災害時、特に支援が必要な障がい者や高齢者などの要配慮者が援助を受けやすくするような工夫も見られました。

 この学習を企画したJRC3年の中村希颯部長は、「スタディ・プログラムで行動したいと言ったことを今回実現できました。JRC部で協力して一つのものをつくりあげることで結束が強まりました。これでからも継続させます。」と話し、学習会を振り返りました。

画像 避難所でどのような人権問題があるかグループで話し合う生徒

画像 災害現場の写真を交えながら、避難所の実際について説明する救護員

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画像 災害時に支援できることを見える化した「できますゼッケン」