青少年赤十字について
児童・生徒が赤十字の精神に基づき、いのちと健康を大切に、
地域社会や世界のために奉仕し、世界の人びととの友好親善の精神を
育成することを目的として、さまざまな活動を学校教育の中で展開しています。
主な活動内容
-
国内・国外被災地への募金活動
少しでも役立ててほしいと、「被災者のために自分たちができるボランティア」として、青少年赤十字加盟校・園で、自主的な募金活動が行われています。
近年、国内外で頻発する甚大な自然災害、民族・宗教間の紛争やそれに伴う大量難民の発生など、被災者や犠牲者のために、県内の加盟校・園から多くの国内義援金、海外救援金が寄せられています。 -
いのちと健康を守る技術と知識を習得
学校内で起こりやすいけがや病気の処置のしかたを学習する救急法や、お年寄りを寝たきりにさせないための健康生活支援講習、避難所生活で役立つ災害時支援セミナー、また、水の事故防止・救助法等を学びます。
リーダーシップ・トレーニング・センターのプログラムにも、これらの講習が取り入れられています。 -
ユニークな体験学習
学校は、災害時には緊急の避難場所となります。避難所の設置や、非常食の炊き出し訓練等の体験学習を行います。
学校や地域の子どもたちを対象とした様々な研修は、地元の赤十字奉仕団や防災ボランティアと協働して取り組むこともあります。 -
先生方のための研修会
子どもたちにとって一番身近な存在である学校の先生が、青少年赤十字の指導者です。
赤十字の理念や活動意義を先生方に理解してもらうとともに、青少年赤十字指導者としての知識と技術を深める研修会を、教育委員会との共催、また後援を得て開催しています。 -
国際交流の機会を提供
赤十字の世界的なネットワークを生かした国際交流の場を提供します。
日赤本社や九州ブロックが主催する国際交流事業での高校生リーダーや各国のユースメンバーとの交流、また、九州ブロックが支援しているアジアの国への訪問などをとおして、世界が直面する様々な課題に取り組み、今自分たちにできることを考えます。
県内高校生メンバーの毎年恒例の行事「国際交流会」では、各国の料理や文化紹介等による交流を行います。
各校の留学生やALT、指導者も含め、毎年100人余りが参加していす。 -
熊本県青少年赤十字高校生連絡協議会の活動
青少年赤十字加盟高等学校(特別支援学校含む)のメンバーによる協議会が組織(熊本県青少年赤十字高校生連絡協議会)されており、役員を中心に、年間をとおして研修会や行事を企画・運営し、県内の高等学校における青少年赤十字の活性化を図っています。
平成23年度には、熊本県高等学校文化連盟(高文連)に「国際ボランティアJRC部」として加盟が認められました
リーダーシップ・トレーニング・センター
青少年赤十字の最も特徴のある教育プログラムの一つである「リーダーシップ・トレーニング・センター(以下、トレセン)」は、集団生活を伴う学習活動の場で、学校や地域においてリーダーシップを発揮できる児童・生徒の育成を目指し、毎年夏休みの期間に開催します。
青少年赤十字メンバーはここで、赤十字や青少年赤十字に関する知識や技術への理解を深め、リーダーとして必要な自主・自律の精神を身につけます。
トレセンの特徴的な取り組み
「ボランタリー・サービス(V・S)」
子どもたちの自主性を引き出すために、各自の自発性に基づくボランタリー・サービス(V・S)方式を活動や組織運営に取り入れています。
「先見(せんけん)」
将来起こるかもしれない万が一の事態のために、日ごろから備えて行動することを意識づける「先見」。
子どもたちが自己の行動管理、危険予知など、先を見越した行動を主体的にとれるようになるため、トレセンの中に「先見の時間」を設定し、その意識づけを重視しています。
「号令のない生活」
指示されて動くのではなく、児童・生徒自身の自己管理を促す「号令のない生活」。
トレセンでは先生の号令ではなく、行動の基礎になるすべての情報は「掲示板」に掲示し、子どもたちは自らそれを確認して行動します。
「待ちの姿勢」
教員には本人の気づきを待つ姿勢が求められます。生徒自身が問題、ニーズを発見し、納得することにより、その後の取り組みのモチベーションの向上が期待されます。そのための気づきを促すような側面支援を重視しています。
「ホームルーム」
ホームルームの時間では、各参加者の考えや反省、疑問等を自由に出し合い、必要に応じて指導者が助言します。
青少年赤十字の防災教育
東日本大震災を教訓に「災害からいのちを守る日本赤十字社」を目指し、その一つの取り組みとして作成されたのが青少年赤十字防災教育プログラム『まもるいのち ひろめるぼうさい』です。
災害が起きたときに、子どもたちが自分自身のいのちを守るため、その知識と行動力を身につけることを目的としています。
青少年赤十字の特徴的な手法である「気づき、考え、実行する」という態度目標を用いた防災教育は、児童・生徒が主体的に取り組むことで知識を身につけ、他者への思いやり、優しさやいのちの大切さを学び取る力を育むことができるプログラムとなっています。
青少年赤十字海外支援事業(1円玉募金)
青少年赤十字では、「子どもたちが自分たちのお小遣いの中から出せる金額で奉仕をしよう」と、平成16年から、通称「1円玉募金」を活用した支援事業を開始しました。
世界で苦しんでいる同世代の子どもたちのために募金活動(1円玉募金)をすることによって「奉仕」の心を学び、その国の文化や生活に関心をもち、自ら調べることで「国際理解・親善」を進めます。
現在、ネパール、バヌアツに対し支援事業を行っており、1円玉募金はそれぞれの国で、衛生環境の改善や防災教育事業に充てられます。
申請方法について
青少年赤十字への加盟は、その学校が学校教育の一つとして青少年赤十字の活動を取り入れるということになります。そのため、学校長の承認が必要となり、さらに、児童、生徒(メンバー)の意志を尊重するために、加盟登録の手続きをお願いしています。
加盟登録は、全校(園)、学年、学級、部活動・同好会、児童会・生徒会単位で選択することができます。
- 青少年赤十字とは
-
実践目標
青少年赤十字では、先に述べた目的を達成するために、「健康・安全」「奉仕」「国際理解・親善」の3つの実践目標を掲げています。
- 健康・安全
- いのちと健康を大切にする
- 人間の生命はもっとも大事なものです。その生命を守るために、自分の命と健康を大切にするとともに、みんなの健康を守り、人間尊重の精神を養うことを目指します。
- 奉仕
- 人間として社会のため、人のためにつくす責任を自覚し、実行する
- 私たちはたった一人で生きているのではなく、社会の一員として生きています。自分が今、他者のために何が出来るかを考え、できることから実行していきます。
- 国際理解・親善
- 広く世界の青少年を知り、なかよくたすけあう精神を養う
- 私たちは、いつも世界の国々とのつながりの中で生活しています。外国の人々やその国のことについて正しく理解し、交流を深めることは大変重要なことです。それは自分自身を知ることにもつながります。このような積み重ねが、世界の平和の実現を目指していくことにつながります。
態度目標
主体性を育むために「気づき」「考え」「実行する」という態度目標を掲げています。
青少年赤十字の特徴
- 学校や幼稚園・保育所に組織されています。
- 何を実践するかは学校や園の自由裁量です。
- 青少年赤十字は世界的な組織です。
- 国内にも多くの仲間がいます。
- 青少年赤十字は政治的、宗教的および思想的なことには中立・公平です。
加盟のメリット
- 赤十字のネットワークを活用した幅広い活動ができます。
- 指導者やメンバー対象の各種講習会の参加機会をご案内します。
- 青少年赤十字の手法を活用した学校運営が可能です。
- 青少年赤十字や赤十字に関する各種資料・教材がご提供できます。