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東日本大震災活動レポート

医療救護活動

最後まで被災者の近くに

11/04/14

 4月14日、発災から1カ月を経過してもなお、岩手県山田町の避難所のひとつ、大沢小学校にて日赤救護班は絶やすことなく医療救護活動を継続しています。

 日赤和歌山医療センターから第4陣目として現地に派遣された吹田奈津子看護師長(写真)は、入社1週間後に阪神大震災の救護経験を持ち、普段はICU(集中治療部)に勤務している救急医療の経験が豊富な看護スタッフです。

 毎日18時から行われる山田地区医療班調整会議(山田南小学校)に医師、同僚4人とともに出席。この会議は宮古保健所が主催し、同地区で医療活動を支援している全国各地からの色々な団体から編成された医療班が一同に集会し、一日の診療状況を報告し合うとともにインフルエンザ等の感染症疾患の発生情報を共有しています。

 今回の救護活動で感じることを吹田看護師長に尋ねると、「被害を受けた方と受けなかった方がはっきりしていることが印象的。家も家族も何もかも失った方もいて、我慢している人がとても多い」と目を潤わせます。

 「医療面でのケアはできているが、今必要なことはこころのケアです。復興にはまだまだ時間を要すると思いますが、これからも色々なニーズに対応し、最後まで被災者の近くにいてあげるのが赤十字だと思います」と力強く話しました。

 また、同じ救護班で活動している同医療センターの横山智至医師は次のように話しました。
 「今は糖尿や高血圧など慢性期の患者さんが主です。開業医が少しずつ診療を再開し始めたので、極力そちらへ行っていただくようにしています。震災からおよそ1カ月が経ち、次の1カ月をどうするかというのが今の課題です。開業医の方々と連携して、住民の皆さんが安心し元の医療に戻れるようにする必要があります」

 地域の医療機能が復旧するまで、引き続き日赤救護班は医療活動を続けています。

(写真:毎日、保健所より薬剤を補給する吹田看護師長(手前))