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東日本大震災活動レポート

教育支援

栄養バランスのとれたおいしい給食、中学生にも
岩手・釜石の給食センターに厨房器具2億円分寄贈

12/05/30

 「日本赤十字社から寄せられたガス炊飯器は操作がしやすく、ふっくらとしたご飯が炊けて、子どもたちにも好評です」
 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市が取り組む「小中学校完全給食制」を支援するため、日本赤十字社は、釜石市学校給食センターなど3施設に、厨房機器・器具を提供しました。新しい設備での調理は平成24年4月から始まっており、調理員の方々からは喜びの声が聞かれています。
調理員の皆さんからたくさんのコメントをいただきました。「真空冷却機は一度に大量の食品を冷やせるので、出来上がりもきれい。食中毒防止にもつながります」(写真:真空冷却機を扱う調理員)

震災以前の釜石市では、完全給食は小学生が対象で、中学生には牛乳だけの「ミルク給食」(弁当持参)と希望者注文制の「デリバリー給食」を実施していました。ところが、震災でデリバリー給食の提供業者が被災し、再開の見通しが立たたなくなる状況に。また、被災した保護者も多く、栄養バランスの取れた弁当を持参できるかについても懸念がありました。そのため、釜石市は完全給食の対象範囲を中学生まで拡大することに決めたものです。

 日赤はガス回転釜や真空冷却機、大型食器洗浄機など約2億円分の厨房機器・器具を釜石市学校給食センター、鵜住居(うのすまい)地区仮設給食調理場、唐丹(とうに)地区仮設給食調理場に贈りました。
 新しい機器の稼働は順調なようで、釜石市学校給食センターの畠山宗洋所長は、「子どもたちからは“おいしい”“もっと食べたい”という嬉しい感想が聞かれ、調理員の皆さんからも“作業がしやすくなった”との声が寄せられています」と伝えてくれました。
「新しいガス回転釜で衛生的に効率良く調理ができます。あったかい汁物が子どもたちに人気です」(写真:ガス回転釜を扱う調理員)