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東日本大震災活動レポート

生活再建

名付け親は高校生!
“LOVE CROSS BUS”が被災地を走ります

11/09/30

まだ瓦礫の残る志津川駅前を、パステル調の小さなバスが走り抜けます。その名は「LOVE CROSS BUS~心と心をつなぐバス~」。誰もが無料で利用できるコミュニティ・バスです。

 津波で市街地の大部分が被災した宮城県南三陸町では、険しい山が海岸まで迫り、仮設住宅に必要な土地が不足しています。そのため、多くの住民がおよそ30キロ内陸に入った登米市の仮設住宅などで暮らしています。市街地と仮設住宅を結ぶ足は十分になく、高校生の通学や高齢者の通院、買い物などに不便を強いられていました。

(写真:復興への思いを乗せて走る「LOVE CROSS BUS」)

 そこで、日本赤十字社は被災者の生活の足を確保するため、無料バスの運行を支援することになりました。バスは、毎日5便、町役場や病院、学校、仮設住宅などを結びます。バスの愛称を利用者から募集した結果、志津川高校2年生の阿部武尊(あべたける)くんのアイデアで「LOVE CROSS BUS~心と心をつなぐバス~」に決定しました。車体には「心と心をつなぐ」をイメージしたラッピングが施され、車内は、世界の子供たちから贈られた絵画やメッセージで彩られています。

 名付け親の阿部くんも、津波で自宅が流され、登米市の仮設住宅に家族と共に住んでいます。下校時には、このバスを利用しています。9月25日の出発式では「人の愛が伝わるバスになって欲しいという願いを、愛称にこめました。世界中の皆さんからの支援に感謝しています」とバスへの思いを語りました。

 この活動は、海外の赤十字社を通じて世界中から寄せられた「海外救援金」によって実施しています。「LOVE CROSS BUS」が分断されてしまった南三陸町の人々を結び、復興の象徴となることを願っています。