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東日本大震災活動レポート

生活再建

クウェートからの救援金で漁船建造を支援(福島)

13/07/09

 東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県の漁業復興のため、日本赤十字社が建造を支援してきたさんま・まぐろ漁船「第二十一権栄丸」(199トン)の進水式が7月3日、宮城県気仙沼市内の造船所で行われ、会場は「この船でもうひと頑張り」と喜びに包まれました。
 福島県では地震と津波によって、多数の漁船が損壊・流出するなど水産業が大きな被害を受けました。また、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、沿岸部の漁業が自粛を余儀なくされるとともに、沖合漁業についても漁価が低迷するなど、同県の漁業環境は厳しい状況に置かれています。
(写真:進水式でお披露目となった第二十一権栄丸)

こうしたことから日赤は、同県いわき市の中之作漁業協同組合の要請を受け、被災した漁業者の生活再建のために漁船建造への支援を決定。クウェート政府から日赤に寄せられた海外救援金をもとに、1000万円を支援しました。
 気仙沼市の木戸浦造船本社工場で行われた進水式には中之作漁協や造船所、日赤の関係者らが出席。あいさつした吉田喜・同漁協組合長はクウェート政府や全国からの支援に感謝の言葉を述べるとともに、「日赤からきめ細かい支援をいただきありがたかった」と語りました。
(写真:クウェートの支援であることが表示された集魚灯)

 また、漁獲作業の責任者として17人の船員の先頭に立つ吉田克久漁労長は「みなさんの支援があっていい船ができた。うちらは漁しかできないけど、頑張ってたくさんのサンマをとって、被災した三陸各地に貢献していきたい」と意気込みを語りました。
 第二十一権栄丸はサンマ漁が解禁される今月20日に合わせて、17日に気仙沼港を出航。北海道沖や三陸沖を中心に12月頃まで漁を続ける予定です。
(写真:吉田喜・中之作漁協組合長(左)と吉田克久・漁労長(中))