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東日本大震災活動レポート

こころのケア

閉ざしたこころをときほぐす 仮設住宅での「こころのケア」を実施中

11/10/28

 岩手県、宮城県、福島県などの被災地では、10月末までに避難所が閉鎖され、被災者の多くは仮設住宅など新しい環境での生活を始めています。日本赤十字社も、これまで避難所を中心に展開していた「こころのケア」活動を仮設住宅に移行。入居者の生活の困りごとや悩みなどに耳を傾けるとともに、仮設住宅のコミュニティーづくりを支援しています。


 宮城県多賀城市の山王市営住宅跡地仮設住宅では、10月8日、日本赤十字社宮城県支部や奉仕団、宮城県臨床心理士会が協働して「赤十字の心と体のほっとケア」を実施。リラクゼーションや「玉こんにゃく」の炊き出しなどに、約30人の入居者が参加しました。
 
 「お疲れのようですが肩をさすりましょうか」。奉仕団らが行うリラクゼーションに、入居者からはこれまで言葉にできなかった思いが溢れてきます。「避難所を出てみんなバラバラになっちゃったから」「仮設住宅では近所付き合いもあまりなくてね」。80代の女性は「息子たちも被災しちゃったから、ここにはあまり来られないのよ」とつぶやきます。

 仮設住宅の中で近所付き合いのきっかけをつかめない被災者は少なくありません。とりわけ一人暮らしの高齢者や障がい者は孤立しがち。「こころのケア」活動に協力する宮城県臨床心理士会の内藤寿子さんは「こうした機会は、家に閉じこもりがちな方が外に出るきっかけになります。住民のみなさんの自発的なつながりをサポートしたい」と活動に期待を寄せています。

 日本赤十字社では、今後も、仮設住宅の住民を対象に、こころのケア活動を続けていきます。