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東日本大震災活動レポート

血液センターの活動

血液を待ってる人がいる

11/04/20

 事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所から30km圏内にある福島県赤十字血液センターの原町供給出張所。地域住民には自主避難(屋内退避)が促されています(4月20日現在)が、「医療機関で待つ患者に輸血用血液を届けないわけにはいかない」と、同出張所では血液配送業務を続けています。

県血液センターの尾形事務部長は「全国、海外の過剰な報道に惑わされず、ここ福島で生きている人間がいることを忘れないで欲しい」と訴え、血液センター職員を鼓舞しています。

 雪まじりの小雨の中、走行ルートである相馬市沿岸部の津波被害地域と30km圏内で輸血用血液の配送にあたる職員の高橋さん。「沿岸部に住んでいた知り合いの旅館は津波に流された。本人は生きているという噂を聞いたが直接連絡はしていない。連絡を取っても何を話せばいいのか分からないし…。生きているという情報が聞けただけでも、とりあえず良しとしなくては」と唇をかみしめます。

 そう語る高橋さん自身、福島県相馬市岩子地区の自宅が津波被害に遭いました。「東京に娘がいるのですが、テレビで津波の被害を見て、“両親はもう助からないと思った”と言っていました」と震災時を振り返ります。職員がこうした被害を抱えながらも、病院で血液を待つ患者さんのために、血液センターは今日も被災地に車を走らせています。