これからの赤十字 vol.1

畑 厚彦

企画広報室 広報主幹

赤十字をより多くの人たちに知ってもらうために

最近の広報活動の取り組みとこれから

日本赤十字社では、6万人を超える職員と多くのボランティアがさまざまな活動を担っています。事業や活動の内容は多岐にわたっていて、例えれば、9つ以上のNPOが集まっているような組織とも言えます。

そのため個別の活動ごとの広報だけだと、赤十字そのものの意義が伝わりにくいため、全体的、組織的な広報も併せて求められます。このそれぞれを実施していくためには、広報を担当する職員のみならず活動に携わる職員も一緒に広報という視点を持つこと、また支部、病院、血液センター、社会福祉施設、学校など施設が異なっても、相互につながったイメージづくりをしていくことが大切になります。

このため平成19年から「もっとクロス!」広報戦略を全社的に進めてきました。

まず職員が互いの仕事を理解し、一緒になって外に発信していくこと、発信に当たっては、CI(Corporate Identity)を統一し、また発信力の向上のためにマスメディアの活用を中心に、広報研修を実施してきました。

すでに5年以上が経過していますが、研修を修了した職員の数も増え、毎年数多くの成果が報告されて、それらを評価、共有する「もっとクロス!大賞」という取り組みも継続しています。

もっとクロス!とは、職員同士のクロスにとどまらず、地域とクロス!社会とクロス!世界とクロス!が本来の目標ですから、今後は、人々との接点となる事業や活動が、今以上に人びとのニーズにきちんと沿うことで、地域や社会の中でさらに価値あるものとして受け止められるよう取り組んでいきます。

次の世代へ

赤十字運動という言葉を私たちはよく使います。国民運動とか市民運動と同じ使い方です。

つまり、赤十字は所属している職員やボランティアだけで担っていく一つの団体ではなく、赤十字というものを世の中から失わないように継続していく一つの国民運動という意味です。

なぜでしょう、それは世の中がどんな状況になっても、社会がどう変わっても、苦しむ人びとに手を差し伸べる最後の砦だからだと思います。少々大げさかもしれませんが、これだけは人類の財産としてなくさないようにしようという、そのための運動ではないでしょうか。

言い方を誤ると「高慢」「おごり」のような響きになりますが、そうではなくて、150年前に手に入れた人々の英知を広め、引き継いでいく、その思いといえるかもしれません。

だからこそ、そこにいちばん近いところにいる職員やボランティアは、いつも人々の声に耳を傾けて、それぞれの時代の中での赤十字の存在意義をしっかりと示さなければならないし、またその誇りを感じることができるのだと思います。

ただ日赤丸は巨大タンカー並みに大きいので、いつも急な舵きりができるわけではありませんが、時代を見つめながら、この思いだけは失わないで少しずつでも進化していってほしいと思います。