救うを託されている。

「緊急事態宣言」発令。危機的状況に陥った日本で、日本赤十字社の奮闘は続く

医療従事者たちの声① ~武蔵野赤十字病院~

クルーズ船から下船した新型コロナウイルス感染症患者(以下、新型コロナ患者)の治療に当たった武蔵野赤十字病院。感染症指定病院として現在も新型コロナ患者のための病床を増やし、感染症以外の科からも応援が入るなど、全職員が最前線の医師・看護師を支える体制で治療に当たります。

「コロナの患者さんだけではなく、全ての患者さんの治療にベストを尽くすのは医療従事者として当然のこと。今は大変な時期ですが、私たち医療従事者の使命や仕事は何も変わりません」

同院の若林稲美副院長 兼 看護部長は力強い声でそう述べました。

医療従事者たちの声② ~日本赤十字社医療センター~

日赤医療センター内の感染症対策本部で、対応に追われる医師・看護師たち

“いかに勝つかではなく、いかに負けないか。
コロナとの極限の戦いが続いている”

「まさにコロナとの戦争だ」
そう語ったのは日赤医療センター(東京)呼吸器内科部長 出雲雄大(いずもたけひろ)医師。増え続ける患者の対応に追われる日赤医療センターでは新型コロナ患者受け入れの病床を拡張し続け、ついに3つの病棟(救急集中治療室含む)を丸ごとコロナ対応の病棟に変えました。
感染防止に必須の医療資材も底をつきそうな中、
「部下や看護師に、武器を持たずに戦いに行けとは言えない。前線に立つ医療者を守れなければ、医療は崩壊してしまう」と出雲医師。多くの不安を抱えながらも、医師・看護師たちは24時間体制の診療を続けています。

 医療センターでは、救急体制を一部制限し、新型コロナ患者の対応に注力しています。しかし、コロナ感染の疑いがある患者の受け入れ要請は切れ目なく入電、すぐ満床になってしまうため、すべてを受け入れることができません。

「どこも望み薄なんです…なんとか1床お願いできませんか?」
同院の救急科 近藤祐史(こんどうゆうじ)医師は、どうしても自院で対応できない患者のために、他の受け入れ先を探します。救急搬送を行う東京消防庁と協力し、4時間かけて120院に電話をしましたが受け入れ先を確保できないケースもありました。数々の災害で真っ先に被災地に駆けつけてきた近藤医師は、目の前の患者を救えない状況に追い込まれながらも、最前線に立ち続けます。

心身ともに極限状態が続く医療現場。コロナウイルスとの戦いは医療従事者たちの総力戦になっています。

N95マスク、防護ガウン、アイシールド、キャップ、手袋、フル装備で診療にのぞむ出雲医師

重症者を受け入れられない!

電話をかけ続ける医療センターの近藤医師(NHKクローズアップ現代+より)

急速な感染拡大による病室の不足や医療資材の不足など、医療現場の生の声を取材いただき、2020年4月14日(火)放送のNHK「クローズアップ現代+」にて紹介されました。放送の内容は下記URLよりご覧ください。

●クローズアップ現代+「新型コロナウイルス 救える命を救えるのか ~医療崩壊リスク・現場の訴え~」

あの時、あの場所にいたのは、日赤救護班でした

日本赤十字社は、新型コロナウィルス感染症への対応として、横浜港に停泊したクルーズ船や武漢市からの帰国者一時滞在施設への救護班派遣など、政府からの要請に基づき、迅速に支援活動を展開して参りました。 なお、活動に従事した延べ255 人にのぼる職員の中から、感染者は一人も発生しておりません。


クルーズ船への派遣職員数:142人

厚生労働省からの派遣依頼を受け、横浜港に停泊したクルーズ船の乗客乗員の健康管理を目的に2月10日~ 3月1日の期間、救護班などを派遣。船内の主な言語は外国語であり、日赤救護班の海外救援の経験が生かされました。

一時滞在施設への派遣職員数:113人

武漢市からのチャーター便による帰国者およびクルーズ船からの下船者(PCR検査陰性)の経過観察を支援するため、一時滞在施設に医療職員を派遣。施設に滞在された方々の健康相談・健康チェックなどに従事しました。

※これらの業務に従事した職員は派遣終了後14 日間の経過観察を行いました。

この記事は赤十字NEWS 2020年5月号の掲載内容をオンライン用に編集したものです。
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