被災地で手術やレントゲン撮影もできる!

移動式の小さな病院「ERU」

チナリERUの全景写真

ERUの資機材の中にはエックス線撮影室や手術室なども含まれている

世界中の被災地で大活躍する「緊急対応ユニット(ERU)」。“移動式診療所”とも呼ばれるEmergency Response Unit = ERUの最新事情をリポートします。

24時間365日、準備を整えて突発的な災害に即時対応

大規模な災害発生時、日赤の「緊急対応ユニット(ERU)」が世界各地へ派遣されています。

ERUとは緊急事態や大規模災害に対応する特別チームで、いつでも出動可能な訓練を受けた職員と、すぐに医療や給水衛生活動などを開始できる資機材がセットになったものです。日赤が保有する診療所ERUは、簡易手術を含む基礎的な治療、母子保健、地域保健、予防接種、栄養状況の観察などを行うことができます。1チームの基本的な構成は、医師や看護師、技術職など13人。資機材には医療品やテントのほかに発電機や照明なども含まれています。現在、日赤では海外(シンガポール)に1基、熊本赤十字病院に1基の計2基を保管しており、24時間365日いつでも被災国へ迅速に出動できる体制を整えています。今も支援を続けるバングラデシュ南部避難民救援活動で、2017年に2基のうち1基を展開したため、今回新たに1基を再整備することになりました。

小さな病院を丸ごとパック

熊本赤十字病院に保管されているERUは、資機材だけで10トントラック5台分という規模。「病院を小さくパック詰めにして海外に引っ越すようなもの」(熊本赤十字病院国際医療救援部 曽篠救援課長)と説明するように、ERUは被災地で上下水道や電気設備も自力で設営し、一次医療の診療所としておよそ1カ月間の活動が可能です。被災地に持ち込まれる食糧は、アルファ米やフリーズドライの野菜、ようかんやフルーツ缶など。暑い季節には扇風機、寒冷地の場合は大型ストーブも被災国へ送り込まれます。

この記事は赤十字NEWS 2019年7月号の掲載内容をオンライン用に編集したものです。
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